わが子の自殺を止めるために親ができること

「親子間コミュ障」に陥ってはならない

親が感じる「子育てストレス」のほとんどは、子どもが思いどおりになってくれないこと、つまり、親が抱いている理想の子ども像と実際の子どもの言動や行動とのギャップである。知識としてこのことを知っていても、ついつい忘れてしまい、日々ストレスを感じてしまう。

相談員への取材を通じて、子どもは親がこのストレスを感じていることに気づいていて、「親が望んでいる理想像」を律儀に演じようとしていると知り、ハッとさせられた。子どもは本当に敏感な生き物だ。

子育ての大前提として、筆者は「唯一の正解はない」と考えている。一人ひとりの個性が千差万別だからである。それは筆者自身の体験にも由来する。

実は筆者は一卵性双生児。DNAが完全に一致するもう1人の人間がこの世に存在する。もっとも、筆者と双子の姉の性格はまったく異なる。たとえ親から受け継いだ遺伝子がすべて同じであっても、出生後の脳シナプスの発達は個体によって変わっていく。

親から同じことを言われたとしても、そのとらえ方はまったく変わる。一方にとっては褒め言葉と感じても、もう一方は皮肉ととらえてしまうこともある。一卵性双生児間であっても、親の声がけの影響はまったく異なるわけなので、「子どもにはこんな声がけがいいですよ」なんて一般論は、もはや存在しないと考えてもいいかもしれない。

愚痴を聞くことに徹する

では、親は子どもにどう接したらいいだろうか?

今回話を伺った相談員の星野さんは、自身も小学生の子どもを持っている。相談員として勤務しているときは「とにかく相手の話に耳を傾け、細心の注意を払ってSOSのサインを見逃さないようにしている」という。そんな気遣いも自分の子育てではほとんどしていないようだが、唯一気をつけていることがある。

「愚痴を言いたいんだなと感じたときは、アドバイスなどは一切せずに、そうなんだね、それは大変だね。と、子どもの気持ちを受け止めてあげることに終始するように心掛けています」

これは非常に参考になった。確かに、人間には「ただ愚痴を聴いてもらいたいシーン」がある。

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