要注意!その「親心」が子どもの発想力を奪う 人材育成のプロが教える「3つの落とし穴」

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子どもがヒトと違ったことをしたら、よくやった、面白い、と褒めてあげよう(写真:Satoshi-K/iStock)
AIの進化によって、これまでの人の手でなされていた仕事の多くが人の手から離れ、より創造的な仕事の価値が増していく。そんな未来を生きる子どもたちに「発想力豊かに」「想像力豊かに」になってほしいと願う親は多い。
しかし、親の「よかれ」と思っての行為が、子どもの創造性の芽を摘んでいることも多いのではないだろうか。自身の子育て経験を基に『戦略子育て 楽しく未来を生き抜く「3つの力」の伸ばし方』(東洋経済新報社)を上梓したKIT虎ノ門大学院教授の三谷宏治氏に、家庭でよく見られる3つの落とし穴について解説してもらう。

AIの発達による価値の変化

私はこれまでBCGとアクセンチュアという外資系コンサルティング会社2社で働き、ここ10年は社会人向け大学院で教授を務めています。この間、ビジネスの最前線に身を置き、ずっと人材育成に取り組んできました。

『戦略子育て 楽しく未来を生き抜く「3つの力」の伸ばし方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

ここ数年、社会で求められる仕事や、活躍するために求められる能力に、大きな変化が起っていることを感じています。AIの発達により、定型的な仕事や知識中心の仕事は、その価値を低下させています。かつては高度かつ高収入として知られた職業である、弁護士、医師、金融トレーダーも、その脅威にさらされています。

ただし、AIも万能ではありません。定型化できる仕事や、今ある仕事の改良・効率化はできても、新しく事業を考えたり、製品やサービスを考えることは不可能です。つまり、今の子どもたちが将来、AIに負けないためには、これまで以上に「新しいものを創造する力」「発想する力」を身に付けておくことが必要なのです。

しかし現実には、図らずも、子どもの発想力を奪うようなことをしている親もいるように私には見えます。子育てに絶対的な正解があるわけではありませんが、3人娘の父であり、人材育成のプロの目から見た子育ての注意点が、読者の参考になればと思います。

落とし穴その1:周囲から浮かないようにアドバイスする

従来、発想力とは「知識が豊富なこと」「知識をいろいろに組み合わせられること」「その組み合せ方を増やせること」の3つの力の組み合せと考えられてきました。そして、知識の増やし方としては、インターネット上に無尽蔵に存在する情報から、よい情報を見つけ出す力がカギだ、と。

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