要注意!その「親心」が子どもの発想力を奪う 人材育成のプロが教える「3つの落とし穴」

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そしてひとりで家にいるとき、子どもたちは「テレビ」「ゲーム」「マンガ」でその貴重な自由(ヒマな)時間を潰してしまっています。「趣味(絵を描く、工作、ピアノなど)」を頑張る子たちは少数派にすぎず、特に男の子ではほとんどいません。

そして、中学生以上になると、移動を含むすべてのすき間時間にケータイが入り込みます。その結果、大人自身がそうであるように、ケータイはヒマな時間を飲み込んでいきます。今の子どもたちに、真に自由(=ヒマ)な時間は少ないのです。

子どもたちは今、1日の予定をほぼ親(と学校)によって埋められ、その間の時間に必死で、テレビを見、ゲームをし、ケータイをいじります。夜になったら寝るまで布団の中で、LINEとYouTube。まるでそれが、憂き世のストレス発散手段だとでもいうように。

「子どもをヒマにさせない」ことを「子どもの時間を有意義に管理できている」と思っている親もいるかもしれませんが、創造性を育むという観点からは賛同できません。創造性豊かな、発想力豊かな子どもにしたければ、遊ばせなければ。そのためにはヒマが必要です。

まずは子どもを塾に(安易には)行かせないこと、習いごとは1つだけに制限すること、ケータイに時間制限などのルールを作ることです。それだけで、子どもたちには自由な時間がいっぱいできます。これができるのは親だけです。

さあこのヒマを、子どもたちはいったいどう使うでしょうか。そこで考え出した知恵やアイデアこそ、その子の創造性にほかならないのではないでしょうか。

お小遣いは「自分で考える」最高の機会

落とし穴その3:恥ずかしい思いをさせないだけのお小遣いを与える

ホイジンガは、こうも言っています。「遊びの根源は、面白さ、である。面白さ自体は定義できない。ただし、面白くあるために遊びには適度なルール(=制約)が存在する」。つまり、子どもが創造性を発揮して遊ぶためには「ヒマ」だけでなく「制約」も必要なのです。

子どもに与えるべき制約の大きなものが、お小遣いです。自分が子どもだったときのことを考えると「お小遣いがたくさんあったほうが遊べるのではないか」と思われるかもしれませんが、そうではないのです。そこに制約があるからこそ、子どもたちは何を買うか買わないかを考えたり、ガマンや創意工夫をし始めたりします。

日本人では小学生高学年で5割強が、中学生・高校生で7割前後が定額のお小遣い制になっています。都度都度与える方式や、ときどき与える方式ではなく、なるべく定期定額制にしましょう。ただしスタート額はなるべく低めにして。

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