北朝鮮の「通常兵器」はどこまで進化したのか

軍事パレードに登場した兵器を分析

9日に開かれた軍事パレードでは、これまで存在を知られていなかった最重量級の戦闘用車両が少なくとも2機種登場した(写真:北朝鮮ニュース)

9月9日に行われた北朝鮮の軍事パレードでは、注目の大陸間弾道ミサイル(ICBM)は姿を見せなかった。だが、これで北朝鮮の新兵器が弾切れになったとみるのは完全に間違っている。今回のパレードではこれまで存在を知られていなかった重量級の戦闘用車両が、少なくとも2機種登場した。

北朝鮮の軍事パレードは全世界が注目しているため、最新の軍事プロジェクトを見せつけるにはうってつけの機会だ。金正恩朝鮮労働党委員長が最高指導者になって以降、北朝鮮は新鋭兵器を次々と披露してきた。中でも大幅に性能アップした移動式のICBM発射台、そしてアメリカ本土を射程に収めるICBMの登場に世界の多くが不意を突かれた。

通常兵器の開発状況にも注意が必要

ICBMのような人目を引く兵器開発が急激に進展したことで、その他の兵器の影が薄くなってしまったのは仕方ない。だが、通常兵器の開発は朝鮮人民軍の実際の戦闘能力を大きく左右する。現状認識を誤れば、北朝鮮の軍事力を過小評価する愚を犯すことにもなりかねないため、通常兵器の開発状況にも注視が必要だ。

本記事はNK News(北朝鮮ニュース)の翻訳記事です

建国70周年記念日となる9月9日に行われた軍事パレードは過去のイベントに比べると少数精鋭の構成で、いつもなら大量に登場するはずの旧式兵器は控えられていた。現代的な軍事国家というイメージを打ち出すため、最新兵器の披露に力点が置かれたのだ。また、これらの兵器が完全に国産である点も強調されていた(チュチェ思想を掲げる北朝鮮においては、すべてが国産でなければならない)。

パレードでは新鋭の主力戦車のほか、北朝鮮の軍事プロパガンダで大々的に宣伝されている対艦ミサイルシステムや戦略防空システムが紹介され、さらに、もともと大規模だった砲撃用戦力にも驚くべき新兵器が加わっていた。中でも、強力な対戦車ミサイルを8連装した戦闘車両は、これまで北朝鮮には到達不可能と考えられていた技術を同国が実際に手にしている(もしくは、手にしつつある)ことを示唆している。

もちろんパレード当日には、例の超旧式複葉機「An-2(アントノフ2)」も儀礼飛行を行っている。北朝鮮の軍事パレードには不可欠の存在だ。An-2は第2次世界大戦直後に開発されたソ連製の古い航空機だが、北朝鮮では今も現役だ。戦争が勃発した場合には韓国に特殊部隊を降下させる用途で使われると見られている。同機は建国70周年を意味する「70」を形づくって編隊飛行した。

超旧式複葉機「An-2(アントノフ2)」の儀礼飛行も行われた(写真:北朝鮮ニュース)

延々と続く戦闘車両の列、列、列。その先頭を飾ったのは、最新鋭の主力戦車だ。「軍事ファースト」のイデオロギーにちなんだ名前を持つ「ソングン(先軍)915」は、北朝鮮にとっては数十年ぶりとなる純国産戦車で、「T-62」「T-72」といったソ連の主力戦車をベースに新しい技術を用いて開発された。

次ページ韓国の最新鋭戦車を脅威にさらす新鋭ミサイル
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