フラリーマンを作り出す「日本のしつけ主義」 大人になって本当に必要な「自立」の意味

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実際に大人でもそういう人はたくさんいます。

「言われたことはなんでもしっかりできます。何でも言ってください。優秀な歯車として完璧にやります。生活習慣もバッチリです。でも、プライベートでも仕事でも、特に自分がやりたいことはありません。やりたいことを自分で見つけて自分でどんどんやるなんて、そんなことできるはずがありません。ビジネスの新しい企画なんてできるはずないじゃないですか。起業? そんなこと無理に決まってるじゃないですか」
「このごろ働き方改革のせいで家に早く帰るんですが、やることがなくて困ってます。家でも粗大ゴミ扱いですよ。なので会社帰りに時間をつぶしてブラブラすることも。何かないですか? 私は何をすればいいんでしょう?」
「退職したら何をしたいかって? それが困るんですよね。特にないんですよ」

 

こういう生き方はさみしいですね。自立とはほど遠いものです。みなさんは、子どもをこういう大人にしたいですか? 本当に自立している人、つまり自己実現力がある人は、プライベートでも仕事でも自分でやりたいことを見つけてどんどんやっていきます。そういう人は同時に自己肯定感も高いので、「これをやりたい。自分ならできるはずだ」となって、勝手にスイッチを入れて勝手に頑張ります。

自分で決めた目標や夢ですから、大いに頑張ります。すると、その途中で生活習慣的なことで苦手だったこともだんだんできるようになることが多いのです。なぜなら、「○○をやりたい」と思っても、時間にルーズでは成し遂げられないからです。そこで初めて時間を守るようになります。「□□をやりたい」と思っても、忘れ物ばかりしていては達成できません。そこで初めて忘れ物をしなくなります。

あいさつができなければ夢をかなえることができないとわかったとき、あいさつができるようになります。片づけができなければ目標を達成できないとわかったとき、片づけができるようになるのです。ですから、本当に自立している人は、子どもの頃に苦手だった生活習慣的なこともだんだんできるようになります。親がいくら叱ってもできなかったことが、本人がその気になれば一瞬にしてできるようになります。それ以前には、必要性がないので無理なのです。

子どもがやりたいことを応援してあげよう

では、どうしたらこのような自己実現力がついて本当の自立ができるようになるのでしょうか? そのためには、子どもがやりたがることをやらせてあげるのがいちばんです。そして、さらに深められるように応援してあげてください。

これは私の講演を企画してくれたある自治体の若い職員の方に聞いた話です。彼女が子どもの頃、たぶん小学4年生のときに、消しゴムはんこの体験教室に行ったそうです。けっこう楽しかったので、彼女はもっとやりたいと思いました。それを知ったお母さんが、その気持ちを応援してくれました。はんこを作りやすい消しゴムや彫刻刀を一緒に買いに行ってくれたり、消しゴムはんこの作り方を解説する動画を探してくれたりしました。はんごができたら、とても褒めてくれました。

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