「補助金頼りの起業支援」が失敗しまくるワケ 熱海復活を支えた「本当の支援」とはなにか

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熱海銀座にあるコワーキングスペース「naedoco」。起業家の卵たちも利用でき、ここの住所に、会社の事務所として法人登録することもできる(写真:梅谷秀司)
一時「衰退した観光地」の代名詞になっていた熱海が華麗に復活を遂げたことが、さまざまなメディアに取り上げられている。観光客数がV字回復を遂げたことも大きいが、起業が増えていることもにぎわいを取り戻した一因になっている。
民間の立場から熱海のまちづくりに取り組み、起業支援にも取り組んでいる『熱海の奇跡』の著者・市来広一郎氏に、起業家支援のあり方を語ってもらった。

補助金で地方の起業を促進できるのか

『熱海の奇跡』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

最近、地方創生に関して、「内閣府が移住での起業に最大300万円」というニュースが出ていました。移住や就業にかかる経済的負担を軽減するため、会社員らが地方に移住して起業した場合に最大300万円、中小企業などに就職した場合には最大100万円を支給する、というものです。

一見、これは、地域への移住や起業を促すようにも見えます。しかし、地方の街の現場で、実際に起業をし、また起業する人たちを生み出す仕事をしてきた立場からすると、とても効果の薄い施策と思われるのです。

なぜならば、移住や起業のいちばんの問題は初期費用ではなく、その土地で暮らしていけるのか、起業して継続していけるのかという、ランニングの問題だからです。そしてさらに言えば、決してお金だけの問題ではないからです。

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