iPhoneの覇権を揺さぶる「新ライバル」の正体 もはやアップル最大の敵はサムスンではない
こうした独自開発のISP、NPUを用いてスマートフォン端末を強化し、独自性を引き出した結果は確実に出てきている。
デュアルカメラもトリプルカメラもスマホに最初に搭載したのはファーウェイで、同時にAI処理によって写真を自動的に美しく加工する機能などを搭載して差異化を行っている。
この結果、端末事業は2012年にグローバルで2.7%に過ぎなかったシェアが、四半期でトップ2、年間を通しての販売台数でもアップルをうかがう位置にまで来た。もともとファーウェイの端末はフルラインナップで揃えられていたものの、性能・機能ともに物足りない低廉なモデルで数字を出していた。
高級モデルが売れ始めた
しかし、カメラ機能を大幅に強化した「HUAWEI P9」をターニングポイントに高級モデルが売れ始め、コンシューマ向け機器部門の売り上げも、2016年に前年比43.6%増、2017年も31.9%上昇するなど大幅な伸びを示した。
今や低価格モデルだけのメーカーではないことは、6月にドコモが発売した「HUAWEI P20 Pro」といった高級機種からもうかがえる。
さらに、ファーウェイは10月16日、ロンドンで上記Kirin 980を搭載する最上位モデル「HUAWEI Mate 20」を発表する予定だ。
このようにカメラとAI処理、プロセッサー性能などの面で急速に進化する中、端末の平均売価上昇が予想され、端末事業がインフラ事業に匹敵する規模に成長しつつあることはもちろん、収益への貢献度も上がっていると予想される。
iPhone以外のスマートフォンは、どのメーカーも同じようにAndroidを採用し、SoCや各種コンポーネントを購入して製品を開発している。前述したようにスマートフォンの機能向上に伴いSoCへの依存度は高くなっているが、ファーウェイは自社SoCを背景に自社製品のアイコンとも言えるカッティングエッジ(革新的)な製品、機能をSoCレベルから作り込める。サムスン電子も自社SoCを開発しているが、性能を重視したモデルにはクアルコム製を採用している。
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