ガザから来日した女性起業家が訴えたい言葉 人間の価値を感じる自由な未来をつくりたい
堀:若者が取り残されているという状況の中、ソーシャル・イノベーション・ワークス(Si-Works)のような、ガザの皆さんと共に開拓するような取り組みをしている団体についてどう思いますか?
誰しもが飛ぶチャンスを持っている
マジッド:ガザではさまざまな状況がありますが、いちばんコントロールできるのは若い人々です。ソーシャル・イノベーション・ワークス(Si-Works)などの日本の若者とコラボレーションすることによって、私たちは自分たちの才能を発揮できると思っています。例えると、私たちは「釣りの仕方」は知っていますが、「海」がありませんでした。その「海」を、私たちのポテンシャルを生かせる場を、ソーシャル・イノベーション・ワークス(Si-Works)が作ってくれていると感じます。
堀:ガザの皆さんの多くは、ガザから出ることすらできませんよね。その中で、マジッドさんは、日本やアメリカなどいろんな地域とつながることができる。その経験をどう生かしていきたいですか?
マジッド:私はとても幸運だと思います。ガザの中で私のような経験ができているのは、私くらいしかいないと思います。初めて海外に行った時、それが最後になると思っていました。でも、信じていると起こることってあるんですね。今こうして海外にいるのですが、ガザの人たちから毎日メッセージが届きます。「どうすれば旅ができるの?」「どうすれば世界を見ることができるの?」「どうすれば外に出られるの?」「海外の人に会ってみたい」。こういうメッセージは、とても悲しくなりますし、焦る気持ちもあります。ただ、私が彼らに言うことは、「我慢強く、何がしたいかをしっかりと持つことだ」と。ガザの人たちが簡単に国境を越えられないという事実はあるけれど、インターネットを使って色んなものへアクセスすることはできます。私の責任としては、ガザから出られない人に対して、アクセスを与えることだと思っています。