スマホの通信料金「4割引き下げ論」の舞台裏 官房長官・総務相の衝撃発言の真意とは?
その内実をもっともよく知るキーマンの1人が総務省政務官の小林史明衆院議員である。同氏によれば、今回の議論は「事業全体の枠組みを見直す中での動き」とのこと。料金問題に関しても官邸と情報を共有しており、菅官房長官の発言もそうした情報に基づくもののようだ。
昨秋に政務官に着任した小林氏が立ち上げたモバイル市場の公正競争促進に関する検討会(以下、モバイル市場検討会)では、「ネットワーク提供条件の同等性確保」「中古端末の国内流通促進」「利用者の自由なサービス・端末選択の促進」という3つの柱を立て、携帯電話業界構造改革について議論されたという。
その結果、乗り換えやすさの促進、中古端末の流通促進、SIMロック解除の普及などの具体的な取り組みにつながっている。
現状の携帯電話ネットワークの原価や将来のインフラ投資など様々な面から料金の適正性についても議論されたが、そうした議論のさなかにあったのが楽天の参入だった。従来はほぼ横並びだったMNOの半分の料金でのサービス提供を計画していることも明らかになった。
楽天の料金プランが与えた大きな影響
菅官房長官の”4割程度引き下げ”という数字は、OECD加盟各国の料金なども勘案しているのだろうが、この楽天の料金プランに大きな影響を受けている。楽天ができるのであれば、競争環境が整えば4割安という料金プランが出てくるのではないか、ということだろう。
一方で品質と料金は切り離せない。日本の携帯電話網は世界的に見ても高い品質。通話エリアやネットワークの質を考えれば、決して高くはないという見方もできる。(平均価格ではなく絶対価格では)OECD加盟国でも”中位ぐらい”のため、相対的には安いとも言える。「ただし、日本の消費者世帯の6割が”高い”と感じているというのも事実だ」(小林政務官)。
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