サヘル・ローズ「偽善者と言われたっていい」 同志たちと社会を変える活動を続けたい

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サヘル:偽善者と言ってたたく人がたくさんいるんです。でもそれにもう反論はしません。「おっしゃるとおり、私は偽善者です」と認めてしまえば、もうたたきようがないでしょう。

偽善者って、すごく嫌な言葉です。すごく傷つきました。でも、思われたっていいんだと考えたら楽になったんです。偽善者と言われたって、これからも自分の信じることをやり続けるし、わかってくれる人はわかってくれるからいいんです。

言い返してしまったらきりがない。だからのみ込むんです。のみ込んでいることに、その人がいつか気づいてくれたらいいなって思うんです。

山田:その強い思いはどこから出てくるのでしょうか。

自分探しをするからみんな苦しい

サヘル:人生は1回きり。わたしは誰かと同じ人間になりたくない。わたしは唯一無二でありたいので、自分の思っていることを信じて貫き通したいと思っているんです。

「自分っていうものは探すものじゃなく、作るもの」(撮影:熊倉徳志)

20代の頃は自分探しをしていて、結構あがいていたんです。自分ってどこにあるんだろう?って。そんなふうに自分探しをしている人って、きっとたくさんいらっしゃると思うんです。でも30代になって言えるのは、自分なんて探してもどこにもないんです。自分っていうものは探すものじゃなく、作るもの。自分探しをするからみんな苦しい、そうじゃなくて自分づくりは今すぐに始められます。

山田:とても強いメッセージだと思います。そうしたメッセージを人々に届けたい、という思いがあるのでしょうか。

サヘル:世界中の子どもたちの写真と組み合わせた詩集を出せたらいいなと思って、いま詩を書き溜めています。

「サヘルだからできること」を信じて、わたしの言葉を素直に発信していきたいのですが、それはわたしの考えとして、誰かに押し付けるつもりはありません。それに対して、バッシングする人がいても仕方がないとも思っています。

でも、これはわたしの考えだからバッシングされる理由なんてないと思うのです。別に誰かに押し付けてるわけではないから。いつか、わたしの詩や言葉で多くの方によい影響を及ぼせるような存在になれるように、いろいろなニュースにもアンテナを張って、日々努力したいと思っています。

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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