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日本の中年男性がハマる「タテ社会の孤独」 共感力を失う人がなぜ続出するのか

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  • 岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師
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人の健康や幸福に最も影響を与えるのは、食生活でも、たばこでも、アルコールでもなく、実は人間関係。これは、最近の欧米の数多くの研究で明らかになっている事実だが、日本でも、「つながり」こそが健康満足度や幸福度に強く影響を及ぼすことを示す研究結果が8月に発表された。

東京大学の赤川学准教授(社会学)の研究チームが川崎市の市民2400人に行った調査で、「水平的なネットワークに参加するほど幸せである」と結論づけられたのだ。水平的ネットワークとはボランティアやスポーツ・趣味などのグループを指し、幸福であると答えた人の割合は、そうしたグループに参加している人が83.1%だったのに対し、参加していない人では74.2%だった。

また、健康に満足という人の割合は「地域を信頼している」という人が60.2%だったのに対し、「信頼していない、どちらともいえない」が42.3%と大きく差が開いた。興味深いのは、どのようなつながりでもいいわけではなく、「タテのつながり」については、まったく、健康や幸福度に影響を及ぼさなかったということだ。

収入の差、性別、学歴、年齢なども、健康や幸福度と関係はなく、有意に関係性がある、とみなされたのは、「地域への信頼」と「水平ネットワークへの参加」のみであった。

自発的に参加する人間関係こそが健康と幸福のカギ

会社などの義務的な組織におけるつながりではなく、自らの意思で自発的に参加するコミュニティや友人、知人関係が、人生の質に大きく影響するということだ。

裏返せば、超タテ社会組織の中でどちらが上で、どちらが下かに縛られたり、競い合ったりする関係性からは、孤独を癒やすつながりが生まれることはないし、そうした閉塞的な人間関係をベースとした組織というカゴに閉じ込められたままでいると、羽を失い、「外の世界でのつながり方」を忘れ、孤立してしまう可能性があるということになる。

そういった意味で、「肩書」や「地位」「名刺」など、タテ社会の象徴物に依存する生き方は極めてリスクが高い。会社やその中での立ち位置に自分のアイデンティティを規定されるのではなく、「個」としての自立、独立、つまり「個独」であることが、「孤独」にならない秘訣だ。

抑圧的なタテ社会、組織に疲れ、人付き合いそのものを煩わしいと思ってしまいがちな日本人は多い。しかし、そういう人たちでさえ、何カ月も誰にも会わず、話さず、頼れる人は誰もいない、といったことを求めているわけではないだろう。「ひとり」の時間を大切にしながらも、居心地のよい「ヨコのつながり」の中に自分の存在価値を見出すことが、健康と幸福のカギ、ということなのだ。

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