私がそれでも道徳の「教科化」に賛成するワケ

「自由、民主主義、愛国心」を論理的に考える

通知表に道徳の評価が記載されるようになった(写真:あんみつ姫/PIXTA)
今年4月から、小学校の「道徳」が「特別の教科」に格上げされている(中学校は2019年4月から)。これに伴い、通知表に「評価」が初めて記載された。
だが現在でも、「道徳」教科化に対しては戦前の「修身」の復活ではないか、と批判する意見もある。
本稿では、近著『大人の道徳』を刊行した気鋭の教育学者が、それでも道徳教育が必要である理由を解き明かしていく。

「道徳の教科化」は「いじめ対策」ではない

子どもたちの1学期の通知表に、「道徳」の「評価」がはじめて記されました。いったい何が書かれているのやらと、気になって興味深く読んだという保護者の方も多いのではないでしょうか。

と言っても、実はあれは、現場の教員たちも何をどう書いたらよいのやらと戸惑い、結局、テンプレート集のようなものが多数出回ったようです。多くの教員が、それに落とし込むことでなんとかやり過ごした、というのが実情のようですので、苦労して書いた先生方にはたいへん失礼な言い方ですが、保護者としても、あまりまじめに読むほどのものでもなかったのかもしれません。

『大人の道徳』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

あらためて簡単におさらいしておくと、小中学校の「道徳」は、これまでは、「道徳の時間」と呼ばれる「教科外活動」の1つでした。ところが、2015年に学習指導要領が一部改訂されて、これが「特別の教科 道徳」に変更されました。「特別」ですから、国語や算数などの教科とは別の扱いではありますが、それでも、これからは「道徳」を、「教科外活動」ではなく、「教科」として、きちんと子どもたちに教えなさい。そして、「教科」である以上、子どもたちを「評価」しなさい、ということになったわけです。この「特別の教科 道徳」が、小学校では、今年4月から始まりました。中学校では、来年4月から始まります。

次ページ「道徳の教科化」のタテマエ上の理由
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」
  • あふれる独自性 ニッポンのすごい研究者
トレンドライブラリーAD
人気の動画
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
人望のない人は「たった一言」が添えられない
人望のない人は「たった一言」が添えられない
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
漂流する東芝<br>舵取りなき12万人の悲運

再出発したはずの東芝の漂流が止まりません。再建請負人の車谷暢昭社長が電撃辞任。緊張感が増すファンドとの攻防や成長戦略の構築など課題は山積しています。従業員12万人を超える巨艦企業はどこに向かうのでしょうか。

東洋経済education×ICT