「売って終わる」営業が一流にはほど遠い根拠 優秀な人ほど「アフターフォロー」を重視する
アフターフォローで好印象を与えるのは、心理学用語の「エスカレーター効果」で説明できます。止まっているエスカレーターを登ったり降りたりするときは、足が重くなったような感覚を覚えます。止まっているエスカレーターを歩かなければいけなくなると、脳が普段のエスカレーターでしているようなバランス調整を再現してしまうのです。これは、思い込みに対する違和感から来ています。
つまり、お客さまは「営業マンは売ったら終わり」という感覚を持っているため、逆のことをすると、好印象を持たれやすいということです。営業マンのアフターサービスがいいほうが、リピートしてくれる確率は格段に高くなります。だから優秀な営業マンほど、アフターフォローを大切にしているのです。
では、これをどのようにして営業活動に取り入れるのが効果的なのでしょうか?
「アフターフォロー」の3つのコツ
「売ったら終わり」だと思っている営業マンが多い中、商品やサービスを売った後に気にかけてくれる営業マンを、お客さまはかなりの確率で信頼します。ですが、ほとんどの営業マンが売ることばかりに意識がいっているため、お客さまにはよく思われていないケースも多いのです。
私が営業トレーニングをしている企業の取引先に、同行したときの話です。大きなミスをしている訳ではないのに、あまりいい印象を持たれていない営業マンのAさんがいました。お客さまに詳しく聞いてみると、Aさんは、商品を売る前には、ものすごく親身になって相談に乗ってくれるし、よく足を運んでくれたそうです。
それが、商品を売ってから急に訪問をしなくなり、お客さまからAさんに問い合わせをしても、商品を売る前のように親身になってはくれなかったそうです。販売から1年後など、新しい商品を売りたいタイミングになると現れるということを繰り返していました。あまりにも自分にとって都合がいいときにしか来ないため、Aさんは信用をなくしてしまったのです。
逆に、さほど目立つ感じではない営業マンのBさんがいました。このBさんは、営業の同行で客先を訪問すると、お客さまから「訪問ありがとう!」と、とても歓迎されています。どうやら、他の営業マンは商品を販売するまでは一生懸命でも、商品を販売したら、手のひらを返したように寄りつかなくなる中で、Bさんだけが商品を販売した後も客先に通っていたのです。すぐには次の案件を紹介できないので、お客さまは、申し訳なさそうでした。しかし、何か案件が入り次第、Bさんに声をかけるのは確実です。
商品を売った後に訪問するタイミングは3つあります。ぜひ、効果的に活用して下さい。
1 購入していただいたお礼に伺う
商品やサービスを納入した後、1カ月以内に訪問します。できれば、商品やサービスを納入した2~3週間後くらいがいいでしょう。使っていただいた感想を聞きがてら、購入していただいたお礼に伺うイメージです。
購入した商品やサービスを使ってみた結果や感想が、すぐにわかることもありますが、実際に使用した人の意見がまとまるには、もう少し時間が必要なケースもありますので、1~2カ月後に、再度訪問するのがベストです。
アポの取り方としては、「購入のお礼を兼ねて、早速、商品を使ってみてどうだったか教えて下さい!」というような感じがよいでしょう。よほどお客さまが忙しくてタイミングが合わないケースでない限り、まず、断られることはないはずです。