中学受験で9月から逆転する「秘密の勉強法」 「模試=健康診断」を賢く使えばまだ伸びる

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では次に弱点項目の攻め方ですが、まず弱点として判明した単元が扱われている塾テキストの該当箇所を復習させてください。このときテキストは小6のものだけでなく、小5や小4にさかのぼって学習させるようにしましょう。

まずは基本問題から実施させ、基本問題がスムースに解けたらその次のレベルの問題まで解かせるようにします。算数や理科の計算分野は、このようにすれば必ず成績は上がってきます。

社会の暗記は「エピソード記憶法」を活用せよ!

理科の暗記分野や社会については、弱点を発見したときに覚え直しをさせるのが、無駄がなくて効率的です。そして間違えた問題の周辺事項もきちんと押さえておくとより効果的です。

たとえば「1931年の満州事変」について間違えていたならば、日中戦争の前後の歴史をおさらいしておくわけです。

「1931年南満州鉄道爆破事件が起こり、日本が中国軍のせいにして満州へ侵攻」「1932年満州国が建国される」「リットン調査団が派遣され日本の自作自演だとバレる」「1933年日本が逆ギレして国際連盟脱退」「1937年に盧溝橋事件が起こり日中戦争が勃発」「1938年に戦争に物資や人を集中させるため国家総動員法を発令」「1939年ヨーロッパで第二次世界大戦が勃発」「1940年ドイツとイタリアと三国軍事同盟を結ぶ」「1941年アメリカ・イギリス・中国・オランダによるABCD包囲網がしかれる」「太平洋戦争勃発」「1945年8月6日に広島に原爆投下」「ソ連が対抗して満州へ侵攻」「アメリカが長崎へ原爆投下」「ポツダム宣言受諾」

 

このようにまとめていけば、周辺事項が一気に覚えられます。

「いっぺんには覚えられないからひとつずつ」と考えるのは間違いです。実はバラバラに覚えるよりも、物語にしていっぺんに覚えるほうが、覚えやすいうえに記憶にも残りやすいのです。これを「エピソード記憶法」といいます。たぶん多くの受験生が、知識をバラバラに詰め込もうとして苦労していると思うのですが、まとめて暗記してみるとずっと覚えやすくなるはずです。

暗記で苦労するという点では理科も社会も同じですが、暗記方法が同じとは限りません。同じ社会であっても「地理」と「歴史」では暗記法が異なりますし、歴史でも「人物暗記」と「年号暗記」では違う暗記法を使ったほうが効果的です。

理科の暗記の場合、ひとつひとつの項目がバラバラに存在していて歴史のようにつながりがなく、残念ながら「エピソード記憶法」は使えません。ですので、それに代わる暗記法として「頭文字暗記法」をオススメします。

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