党首討論の「夜・隔週」開催は改革の第一歩だ 超党派の改革派議員が語る「国会改革」の要点

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馬場:私は地方議員出身(注:堺市議会で議員、副議長、議長を歴任)ですが、地方議会と比べると国会は政局重視といいますか、明けても暮れても日程闘争を行い、審議妨害をやっている。与野党ともにそれを既定路線として、国会運営をしている。ということで、機能面がきわめて弱くなっていると思います。実際には霞が関がコントロールしている国会になっているんじゃないかということです。今の国会の課題は、「機能を高める」というのがまず1つ。

もう1つは、「前例慣例で続いている議会のルールを変えていく」ということ。時代にあったルールに変えていくということで、幾多の先輩がそれには挑戦してきました。先程も話がありましたが、平成26年には各党の国対委員長がサインをするという合意文書までできたのに、実行されなかった。

この過去のことを反省し、平成のうちにという期限を決めて、1つでも2つでも実行するのが今回の取り組みです。改革はやっていくうちに、改革マインドが身に付いてくるので、まずは始める。いきなり大きいことをやろうと思っても、そこに利害が発生するテーマになれば、実現は難しい。やはり「小さな一歩から始めていこう」というのがわれわれの考え方です。

国会改革には3つの流れがある

:国会改革というのは3つの流れがあると思っています。1つは官邸主導になっている今の時代に、立法府がどういう関係性を持つかということだと思います。政治が官僚主導から官邸主導に移ってきているなかで、官邸の強さに対し、立法府がどのような関係性を持っていけばいいのか。

2つ目は少数野党がどのように政府与党をチェックしていくのか、という点。小選挙区制度になって選挙ごとの議席数の振り幅が大きくなった。野党はより少数野党になりがちな時代になってきたわけです。そうすると、政府与党とよく言われるように、与党と政府はほぼ一体ですから、「国会におけるチェック機能が落ちるんじゃないか」ということも懸念をされているわけです。少数野党による監視機能の維持は、どうあるべきなのか。少数野党の発言機会をどう確保するのか、ということも問われてきています。

3つ目は特に日本維新の会が一生懸命進められてきている「国会そのものの生産性を上げる」という取り組みです。ペーパーレス化もそうですし、国会の審議日程についてもできるだけ無駄を減らしていく。

この3つの流れのすべてに対応していく必要があります。ただ、一方で「平成のうちに」ですから、まずはどんな小さなことでもいい。ペーパーレス化もそうですし、女性議員の出産、妊娠期における代理投票制度の整備。こういったものは、ぜひ実現したいなという思いがあります。

安倍晋三首相(中央左)と立憲民主党の枝野幸男代表(同右)による党首討論=6月27日(写真:共同通信)

――「まずはやれることから」という割に、3つとも大きな話のように感じます。党首討論については、立憲民主党の枝野幸男代表が「歴史的使命を終えた」と発言しています。ペーパーレス化についても、印刷時間を利用することが、野党の戦術にもなっていた。代理投票の議論を始めると、「じゃあ男性が入院した場合どうするのか」など、いろいろな意見が出かねない。まず党首討論の定期開催からお願いします。

浜田靖一(はまだ やすかず)/衆議院議員(自民党)。渡辺美智雄大蔵大臣秘書官、浜田幸一代議士秘書を経て、1993年、衆院選旧千葉3区にて初当選、現在9期目。防衛大臣を始め、衆議院予算委員長、衆議院国家基本政策委員長、自民党政務調査会副会長、国会対策委員長、幹事長代理、一億総活躍推進本部長等を務める(撮影:風間仁一郎)

浜田:「歴史的使命を終えた」の話っていうのは、本来あそこで委員長が注意しなきゃいけない。「今の発言は取り消してください」と委員長が言わないと、委員会そのものが否定されたことになっちゃう。

それはさておき、われわれが提案している党首討論は、夜にやるものです。「普通の時間帯でやっているとなかなか時間が取れない」と言うので、だったら夜にして国民の皆さん方にそれを聞いてもらう、見てもらえばいい。お互いの議論がすれ違っていてもいいと思うんです。「何、バカなことをやってるんだ」というのも含めて国民の皆さん方に見ていただく。見ていただくことで、おのずとよい方向に修正されていくと思います。

だから、見てもらうことが大切。時間を取りやすいこともあるが、昼にやってもなかなか視聴率が上がらないということもあるので、夜にやるべき。「党首討論というものについて、もうちょっと先に進んだ考え方をしたらどうですか?」っていうのが今回の提案です。

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