GAFAの経営戦略、実は「古くさい」ものばかり

「覇権の4強」を経営戦略から読み解く

彼らはグローバルに席巻する勢いがあります。とはいえ、私たちは過去ずっとそうした恐れを抱き続けてきました。しかし、多くの企業は一定の期間の後に、その力を失っています。IBMも、マイクロソフトも、ヤフーのときも同じことを言っていたわけです。一定の期間が経つと、これまでとまた違ったプレイヤーが成長し、そしてまた、われわれはその新しいプレイヤーに恐れを抱いてきました。かつての日本もそうでした。欧米各国は日本の急成長と市場支配力に恐れを抱いていたのです。今では信じられないですが。

したがって、GAFAの影響力の可能性も、多少は割り引いて考えたほうがいいように思います。今後、これが繰り返されるかもしれないし、そうではないかもしれません。残念ながら、それがどうなるかは私にはわかりません。

「経営という行為」が世界の方向性を決める

いずれにせよ、経営という行為、つまり経営を行う組織と個人を理解することの重要性が、かつてないほど高まっています。経営が社会を変えつつあるのです。また、その経営を支配する特定の利権が社会と経済に対して強烈な力を握っています。

『経営戦略原論』(琴坂将広著/東洋経済新報社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

アマゾンの方向性はジェフ・ベゾス氏が決めます。フェイスブックはマーク・ザッカーバーグ氏です。あらゆる産業領域で特定の企業がわれわれの世界の方向性に強い影響力をもたらす時代になりました。多くても数百人、恐らく数十人の個人が、世界全体の方向性に極めて大きな影響力をもたらす時代が訪れています。私たちは長い歴史を経て民主主義に行き着いたわけですが、その統治機構とはまったく違うところで、階層的な社会構造が、じつは人間の社会を方向付けていると言えるのかもしれません。この傾向は、強まるばかりです。

拙著『経営戦略原論』では、体系だった知識が得られると自負していますが、一方で事例をあまり入れていません。人類の共有知識、すなわち、これまで脈々と培われてきた知見や、先人たちの叡智をまとめています。『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』は、著者自身の知見であり、それに基づいて書かれている「ケーススタディ」と言えるでしょう。

経営戦略原論』で、目先の事例や事象にとらわれない根源的な知識を得ながら、『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』で時代を変えつつある最先端の事例をキャッチアップする。そんな具合に読んでいただけたら嬉しいですね。

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