GAFAの経営戦略、実は「古くさい」ものばかり 「覇権の4強」を経営戦略から読み解く
経営戦略の視点から読み解くGAFA
――琴坂先生が最近上梓された『経営戦略原論』は、経営の実学と理論、すなわち「最適な処方箋」と「普遍的な法則性」の二兎を追う試みで、多くの経営者から注目を浴びています。「経営の実学・理論」の両面から、GAFAをどう見ていますか。
拙著『経営戦略原論』で語っている要素がすべて発見できるのが、GAFAだと思っています。たとえば私は、組織永続のためのさまざまな取り組みを「全社戦略」と呼んでいますが、その骨格となるのは「組織ドメインの定義・周知・更新」です。組織ドメインというのは、その組織の生存目的、あるいはビジョン、ミッションとも呼ばれますが、その事例としてアマゾンを紹介しています。
アマゾンは、上場時は自社を「オンライン書店」と定義していましたが、その後は音楽やビデオの販売、さらに小売業全般へと事業を拡大していきました。2002年には「地球で最も顧客中心な会社をめざす」というミッションを掲げ、その後、顧客とは消費者のみならず、販売業者や開発者、またコンテンツ生産者も含まれると定義しています。アマゾンは適切に自社の競争優位を理解しつつ、全体の事業のポートフォリオを着実に広げていると感じます。
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