富士の樹海に伝わる「5つの都市伝説」の真実 「コンパスが効かないから迷う」は本当なのか

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ここは民宿が集まった、通称民宿村だ。ここはオウム真理教の事件で有名になった上九一色村だった場所なので、当時からある看板などにはいまだに上九一色村と書かれている。

いまだに10軒以上の民宿が営業しているが、廃業してしまった宿も多い。民家になったり、空き家になったりしている。過去には人口が多かった時期もあったらしく、保育園や小学校もあったようだが、どちらも現在は廃墟になっている。

僕も取材の際に利用したことがある。夢を壊すようで悪いが、ホテル予約サイトから普通に予約した。

素泊まりプランで1泊4000円だった。3人で寝るには十分すぎるほど広い部屋だった。樹海に遊びに来るときには、ぜひ利用したい村なのだった。

たくさんの宗教団体施設

5、樹海内に秘密の新興宗教がある。

富士山周辺は霊峰富士に吸い寄せられるのか、宗教団体の施設がたくさんある。

古いところでは、富士山を信仰の対象とする浅間神社がある。江戸時代には、富士講という山岳信仰系の宗教が大流行した。

富士山周辺にはざっと見ただけでも数十の新興宗教の施設を見つけられる。地図には載っていない小さい施設を含めればもっともっと多いだろう。

先日、教祖や信徒の死刑が執行されたオウム真理教の施設も富士山麓にあった。当時は、「富士山麓にオウム鳴く(√5の覚え方)」と揶揄されていたものだった。

場所的には青木ヶ原樹海のすぐ南の部分にあたる。現在ではすべての施設がなくなっている。オウム内では第一上九と呼ばれた、第2サティアン、第3サティアン、第5サティアンがあった場所は富士ヶ嶺公園という名前の公園になっている。何もない草原のような公園だがポツンと慰霊碑が建っている。それがほぼ唯一のオウム真理教の名残になっている。

「都市伝説で言っていた宗教団体は、オウム真理教のことだ」

と言っても間違いではないと思う。

ただ、実際に樹海のど真ん中にも新興宗教の施設はあった。その施設の名前は「乾徳道場」だ。

行き方は、富士五湖消防本部河口湖消防署上九一色分遣所という長い名前の施設の裏手にある、精進湖口登山道という樹海の中を突っ切る登山道をひたすら登っていく。

数十分も歩き疲れてきた頃に道が二手に分かれる。登山道から外れる左の道を進んでいく。かつては、筆で書かれた「乾徳道場」という看板が出ていたが、今はもうない。

そこからまたしばらく歩いていくと、急に視界が広がり大きな四角い建物が現れる。まるでガレージのような施設だ。あまり宗教施設っぽい建物ではない。

そしてもっと奥に進んでいくと、母屋らしき建物が現れる。こちらは先程の建物よりはそれっぽい。

その建物の前には紙が貼られている。

「祈りの言葉
実在者(おおがみさま)の御心が此の世に顕れますように。
一、神(諸法実相)の国が開かれますように
一、凡ての人が神(諸法実相)に蘇りますように」

何を言っているのかはわからないが、宗教団体だなというのはわかった。

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