富士の樹海に伝わる「5つの都市伝説」の真実 「コンパスが効かないから迷う」は本当なのか

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3、樹海には人を襲う犬や熊などの動物がいる。

樹海を散策していていちばん怖かったのが鹿だ。奈良公園でウロウロしているおとなしい鹿しか見たことがない人は「鹿のどこが恐いのさ?」と思うかもしれないが、樹海を走っている鹿は恐い。ドドドドドドと猛スピードで走り抜ける。一度はほんの2~3メートルしか離れていない場所を2匹の鹿が走り抜けていったことがあった。

ぶつかったら間違いなく大ケガである。樹海の中でケガをしたらそれこそ抜けられなくなってしまう可能性が高い。鹿には要注意なのだ。

しかし肉食獣がいるという話はあまり聞かない。樹海はもともと栄養には乏しい森だ。木の実や花が少ないから、昆虫や小動物も少なく、結果として肉食動物も少ない。

だから「都市伝説は間違いです!!」と言いたいところだが、これがそこまでハッキリとは言い切れない。

熊はいるかもしれない

おそらく野犬はいないと思うのだが、熊はいる可能性がある。そもそも富士山の周りの森には熊がいる。富士山のふもとにある遊園地、富士急ハイランドには「FUJI-Qはクマの生息地です。クマはどこにでもいます。見つけても絶対にプロレスをしない。タックルをしない。」という看板が立てられている。

樹海は確かにほかの森とは雰囲気が違うが、さくなどで区切ってあるわけではないから、来ようと思えばもちろん来れる。

樹海散策を趣味にしている知り合いは、樹海の付近で猟師に出会い、

「こないだは熊がいたから、あっちには登らないほうがいいよ」

と忠告されたことがあるという。

樹海で横向きに倒れた死体を見つけたことがあった。下半身はジーンズを履いていて原型を保っていたのだが、上半身はバラバラに散逸していた。

内臓はまったくなくなっていて、頭部も周辺にはなかった。どうにも動物に食い荒らされたように見える死体だった。

そして、死体のそばにはとても大きなふんがあった。ふんは、ガッと手で地面になすりつけてあった。

そのふんが、熊のふんの物であるかどうかはわからないが、

「樹海に熊はいる」

と思っておいて間違いはなさそうだ。

4、樹海には、自殺に訪れたが死にきれなかった人が作った村がある。

「自殺志願者たちが集まって生活する村がある」「犯罪者や世捨て人が集まって作った村がある」などホラーじみた都市伝説を聞くことがあるが、もちろんそんなヤバイ村はない。

ただし、樹海の中に集落はある。地図を見ると国道139号線から樹海に食い込む形で集落があるのがわかる。樹海内にはそういう場所はほかにないので、異様に見える。

ただ、現場に行ってみると怪しさはない。アスファルトが敷かれ、整然と建物が並んでいる。多くの建物には「●●荘」と看板が建てられている。「樹海荘」というわかりやすい名前の建物もある。

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