本物の富裕層は「服装」への意識レベルが高い 1日に何度も着替えるのは当たり前

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私が仲良くなった女の子たちは、これから向かう場所や会う人たちに合わせて、きちっとした服装からカジュアルな服装まで、自由自在に変えていました。

たとえば幼馴染みと美術館へ行くときと、両親と教会へ行くときとでは、当然、服装が違います。親と一緒に大人たちが集まるディナーへと出掛けるときは、いちいち親から指図されなくても、さっと素敵なジュエリーを身に着け、ドレスアップします。その大人顔負けの振る舞いは、それぞれの場面で守るべきドレスコードと自分に与えられた役割を、子供ながらによく理解しているようでした。

メリハリのあるお金の使い方

自分の見せ方を心得ている彼女たちが、普段はどのようなお店で洋服を選んでいるのかに興味を持った私は、ある日、彼女たちの買い物に一緒に付いていくことにしました。

一緒に洋服を見ながら、まず意外に感じたのは、彼女たちの経済感覚。富裕層の子供とはいえ、彼女たちの金銭感覚は、庶民と変わらないのです。

たとえば、身体の変化が著しい時期に着るブラジャーやTシャツ、暑い時期にだけ使われる麦藁帽子などは、割り切ってリーズナブルな価格帯のものを選んでいました。一方で、ネックレスや靴、あるいは鞄など、将来にわたって使えるものは、よく吟味したうえで「これだ」と思えば、少々値が張るものでも躊躇せずに購入していました。

同じようなアイテムなら、できるだけ安く買いたいと考えていた当時の私にとって、何に投資する価値があるかを見極めて、メリハリのあるお金の使い方ができる彼女たちの姿は、たいへん大人びて見えました。

それこそ裕福な家庭で育った彼女たちならば、気に入った洋服は、経済力に物をいわせて次々と買ってしまえそうなものです。しかし実際は、たった1枚の洋服にも、その金額を支払う価値があるかどうかを見極めようとする……子供とは思えないシビアな目を持っていました。

彼女たちの家庭では、「何にどのような投資をすれば適切な価値が生まれるか」といった金銭教育が、食事の席でもよく行われるといいます。日本では、「食事をしながらお金の話をするなんて卑しい」「子供に投資の話をするなんて早すぎる」と考える家庭も多いかと思いますが、欧米のエリートの子供たちは、比較的早い時期から、「装い」に加えて投資のルールを、あるいはスマートなお金の使い方を学んでいるのです。

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