本物の富裕層は「服装」への意識レベルが高い 1日に何度も着替えるのは当たり前

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「装い」に、その人の内面が表れるのと同様、お金の使い方にも、その人の知性や品格が表れます。私が彼女たちと数々のお店を一緒に回りながら、さらに感銘を受けたのは、彼女たちは好き嫌いだけで洋服を選ぶことはせず、衝動買いも決してしないことです。

たとえば一見、体形にきちんとフィットして素敵に見える洋服でも、「シルクは滑らかで好きだけれど、私の髪が傷んだように見えてしまうから、もう少しテクスチャーがあったほうがいいと思う」「この花柄は好きだけれど、私の瞳の印象が薄くなってしまう。もっと繊細なデザインの花柄はないかな?」と、さらに厳しい目で、自分自身と洋服との見え方をチェックするのです。

ショッピングに付き合い始めた頃は、「お金持ちなのだから、好きなものは買ってしまえばいいのに」「なぜ、これほどまで吟味する必要があるのだろうか」と疑問に思うばかりでしたが、いまならその理由がよく理解できます。

階級社会特有の事情

日本では、さまざまな文字がプリントされたTシャツを、子供も大人もよく着ています。しかし欧米の階級社会では、文字入りの洋服を好んで着るのは階層の低い人たち、という共通認識があります。

『NYとワシントンのアメリカ人がクスリと笑う日本人の洋服と仕草』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

確かに、当時出会った友人たちは、キャラクターはおろか、文字がプリントされたスウェットやTシャツを手に取ることはありませんでした。幼い頃から「装い」は、嗜好のみならず、教養、学歴、経済力など、その人の背景にあるものを示すという事実を教えられてきた彼女たちは、自分たちのセンスから父母のソーシャルランクまでもが推察されることを知っていたからです。

だからこそ、単に値段や好みで判断するのではなく、素材、色、クオリティ、用途などを総合的に考え、慎重に吟味していたのだと思います。たとえ子供であっても「何を着るか」に対して緊張感や責任感を持ち、自分の見せ方に十分に注意を払わなければならないのは、階級社会特有の事情ともいえるでしょう。

安積 陽子 国際ボディランゲージ協会 代表理事

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あさか ようこ / Yoko Asaka

アメリカ合衆国シカゴに生まれる。ニューヨーク州立大学イメージコンサルティング学科を卒業後、アメリカの政治・経済・外交の中枢機能が集中するワシントンD.C.で、大統領補佐らを同窓に非言語コミュニケーションを学ぶ。そこで、世界のエリートたちが政治、経済、ビジネスのあらゆる場面で非言語コミュニケーションを駆使している事実に遭遇。2005年からニューヨークのImage Resource Center of New York 社で、エグゼクティブや政治家、女優、モデル、起業家を対象に自己演出術のトレーニングを開始。2009年に帰国し、Image Resource Center of New Yorkの日本校代表に就任。2016年、一般社団法人国際ボディランゲージ協会を設立。理念は「表情や姿勢、仕草から相手の心理を正しく理解し、人種、性別、性格を問わず、誰とでも魅力的なコミュニケーションがとれる人材の育成」。非言語コミュニケーションのセミナー、研修、コンサルティング等を行う。

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