中型ペットボトルコーヒーが急成長するワケ あの好調商品の3カ月後を予測

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伸長の原動力になった中型ペットボトルコーヒーの代表例に、2017年4月発売のサントリー食品インターナショナル「クラフトボス」がある。この商品は、これまで缶コーヒーがブルーカラーを主なターゲットとしていたのに対し、新たにITワーカーをターゲットに掲げている。

缶コーヒーは、容量が少なくすぐに飲み切るような飲用シーンが一般的だが、ITワーカーをはじめとするオフィスワーカーは、働き「ながら」ゆっくり飲み続けられる商品を求めている。こうした「ながら飲み」ニーズに対応し、500mlの中型サイズで途中でもフタの開け閉めが可能という容器の利点に加え、すっきりとした味の面でも支持された。

この商品を皮切りに、伊藤園「タリーズコーヒー スムース ブラック ミディアム」(2017年10月発売)、コカ・コーラシステム「ジョージア ジャパン クラフトマン」(2018年5月発売)など、飲料メーカー各社が中型ペットボトルコーヒーの新商品を投入し市場が活性化しているが、これらはオフィスワーカーだけではなく、女性にも受け入れられている。

インテージ全国消費者パネル調査〈SCI〉によると、本人飲用のために購入したコーヒードリンクの男女比を本数ベースでみると、中型ペットボトルコーヒーは女性が21%を占めている。これはカップの44%や紙パックタイプの30%よりは少ないが、缶の8%、ボトル缶の9%を大きく上回る。

缶コーヒーやボトル缶コーヒーは、これまで女性の獲得に苦戦していたが、喫茶店やコーヒーチェーン、レストラン、コンビニのカウンター等でコーヒーを飲用・購入している女性は多い。普段は缶・ボトル缶の容器を敬遠している女性でも、ペットボトルなら手に取りやすいことからも、コーヒードリンクのポテンシャルの高さがうかがわれる。

また、この調査によると、中型ペットボトルコーヒーの購入率は他のどの容器よりも高いことが分かる。2018年1~6月だけで、男性では42%、女性も24%もの人たちが購入しており、男女ともに最も高い数値となった。新商品が次々と出ていることもあるが、幅広い消費者の選択肢の中に中型ペットボトルコーヒーがしっかりと食い込んでいる証といえるだろう。

図表2 コーヒードリンク市場 主要容器別購入率 推移(各年1~6月) *本人飲用のための購入(画像:「商業界オンライン」編集部)

差別化商品発売での購入本数の増加に期待

中型ペットボトルコーヒーは、「ながら飲み」ニーズに対応し、新たな消費者の獲得に成功した。これまでも、各社のラインアップ増により市場が拡大し続けていることからも、今後は既存品との差別化商品が発売され、消費者1人当たりの購入本数が増え、さらなる市場拡大も期待できる。

人口が減少する中、働き方改革により女性の就業率が高まり、オフィスワーカーも増加傾向になると思われ、ますます需要の高まりが期待できる。今後も中型ペットボトルコーヒーの展開に注目したい。

(文:株式会社インテージ アナリスト 池田勝哉)

商業界オンライン

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