講習では暴力、パワハラの問題も学ぶ。
「うちのリーグでも残念ながら、暴力、パワハラ事件がたまに起こります。賞罰委員会を設けて1年間資格停止などの判定を下しています。でも、最近は、ほとんどありません。野球は、同じ人数でやって得点を争い、1点でも多かったら勝ちと言う競技です。野球の原点は勝つか負けるかです。やはり勝利を追求しなければなりません。弱いチームに、進んで行く子はいないでしょう。
しかし、勝利を追求した挙句に子どもたちが”野球嫌い”になったとすれば、それは指導者に問題があるということです。そうならないためには、勝利を追求しながらも過度なプレッシャーを与えずに野球を楽しませることが大事です。うちはそういう指導者を作ろうとしています」
ヤングリーグの指導法が認められつつある
近年、ヤングリーグは甲子園の実績でも、プロ入り選手の数でも注目を集めている。
「そういう指導法が認められたのでしょう。素質のある子どもが入ってくるようになりました。連盟の大会は原則としてトーナメントです。これは1チームしか出場できませんが、ローカルな大会では2つ、3つとチームを分けることも認めています。大会の規模によってさじ加減をして、できるだけ選手に出場機会を与えています。
健康被害の問題は、チームに任せていますが、専属トレーナーをおいているところもあります。そうした知識もライセンス講習で勉強します。
硬式野球がおカネがかかるのは事実です。安いチームを探す親御さんもいますが、反対に高くても強いチームをと言う人もいます。一種のブランド志向ですね。ただし会費は月1~2万円。それ以上のところはないと思います。
お茶当番もチームに任せています。土日も仕事をしている親御さんもいます。そういうときは、ほかの親御さんがカバーをする、そのかわり平日に手伝いに行くとか、役割を分担していますね。
遠征費はチームで積み立てています。会費を振込にしているチームもありますが、親御さんはできれば現場におカネを持ってきて、そのときに野球も見てほしいと思います。
中には預けっぱなしの人もいるようですが、1カ月1回でも見に来たら興味もわきますし、子どもとの触れあいもできるはずです。少年野球も教育である限りは、指導者と親の連携は必要ですから」
ヤングリーグではチーム単位で普及活動も始めている。小学生の野球人口の減少には危機感を抱いている。
「確かにこれからの野球は厳しくなるでしょう。もっと野球人気が高い時に、野球界全体として手を打つべきだったと思います。うちとしては、少年野球を盛り立てる立場として、今後もいろんな大会で実績を上げていきたいと思います」
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