「別人」になり伴侶を見つけた46歳男性の結婚

30代半ばでの大病が、自分と人生を変えた

半年間の療養生活を余儀なくされ、気づいたこと(イラスト:堀江篤史)

ある日曜日の朝8時に、京都駅から徒歩10分ほどのところにあるホテル併設のカフェで1人の晩婚さんと待ち合わせた。時間どおりに来てくれた中嶋健太さん(仮名、46歳)は、白いシャツにグレーのジャケットを合わせ、下はスリムなジーパン姿。髪は短めに整えている。控えめな笑顔でのあいさつも丁寧だ。

ずいぶんひどい生き方をしてきてしまった

さわやかで優しげな第一印象を受ける健太さんだが、30代半ばまではまったく違う人間だったという。専門学校を卒業してからずっと勤務している建設業の大企業が「その場にいない人の悪口でめっちゃ盛り上がる」社風で、健太さんのネガティブな部分を大いに引き出していたのだ。

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「仕事ができない上司や派遣社員の悪口で笑いながら酒を飲むのです。良くない雰囲気ですよね。私自身、他人を貶めるような発言が多かったと思います。でも、悪口では上司や会社への怒りや不満は解消できません。ストレスで酒ばっかり飲んでいて体重は85キロもありました」

健太さんは現在56キロ。急激にやせた理由は、34歳のときに出張先で大病を患って倒れ、半年間の療養生活を余儀なくされたことだ。

「死ぬ人も少なくない病気で、1カ月間は病院で寝たきりでした。ずっと寝ているので、真夜中に目が覚めてしまうこともあります。その長い時間に今までの生き方を振り返ると、楽しいことが何一つ思い出せないのです。覚えているのは、他人の心を傷つけたことばかり。ずいぶんひどい生き方をしてきてしまったと気づきました」

健太さんがさわやかな方向に変わることができたのは、病気による強制ダイエットと反省だけではなく、会社以外での人間関係のおかげだった。会社に復帰しても以前のように業務を抱えることはできない日が続き、「暇で寂しいから」と2つの社会人サークルに入ったのがきっかけだ。

「音楽サークルと病気回復ボランティアグループです。音楽サークルは私以外の全員が元気な女性。みんな若々しくて明るいんです。会社の外に出たら気持ちを切り替えることを覚えました。ある難病のリハビリを手伝うボランティアは今年で11年目です。患者さんが夫または妻に支えられて、ゆっくりと回復して笑い合ったりしている姿を見させてもらっています。本物の人生ドラマですね。『夫婦っていいな』と感じて、婚活を真剣にやろうと思いました」

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