「美人すぎない」39歳女性の「ほどよい結婚」

「ちょうどよい」ことは"決め手"になる

「ちょうどよい」彼女が、手にした幸せとは…(イラスト:堀江篤史)

静岡駅から徒歩10分ほどの場所にある新しいフレンチレストランに来ている。この店を選んでくれたのは、35歳のときに結婚をして東京から静岡へとIターンをした上野小百合さん(仮名、39歳)。

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高級そうなジャケットとスカートを身に着けているが、化粧はほとんどしていない。高校までは北陸地方の地元にいて、大学から上京し、30歳ごろまではメディア関連企業で総合職として忙しく働いていたという。小百合さんはその頃をうれしそうに振り返る。

「うちは4人姉妹で、全員が東京に出て一緒に暮らしていました。そのうちに2人の姉も妹も結婚したので、26歳からは一人暮らしでした。すべてが自由になり、帰りが遅くなっても心配されません。すごく楽しかったです」

結婚した今でも「ソロ活動」が何より好きだと言い切る小百合さん。20代後半の5年間は一回り年上のフリーランサーの男性と交際していたが、結婚することはまったく考えなかった。月3回程度のデートでもお互いに好きな本をカフェで読みふけるような関係性で、それぐらいの距離感がちょうどよかったという。

「でも、30歳に近くなるにつれて私の収入が高くなり、彼が少しずつ卑屈になっていったように感じました。普通のマンションを借りたぐらいで『そんなぜいたくなところに住むのか』と言われたりして……」

小百合さんはその頃に大阪にある老舗企業に転職をした。すでに恋人との関係は冷めつつあり、引っ越し先の住所を伝えずに自然消滅したのだった。仕事も好きで、飲み歩くことが趣味である小百合さん。大阪の街ではますます楽しい独身生活を謳歌した。

知人友人に20人以上を紹介されることに

気ままな生活に終止符を打ち、婚活を始めたきっかけは父親の死去だった。小百合さんの家族は結束が固く、父親は姉妹の中で1人だけ未婚の小百合さんをずっと心配していたという。

「私が結婚していないこと自体が気になるのではなく、『結婚していないことで世間からかわいそうな人だと思われるのがかわいそう』というのが父の意見です。母からも『医者や弁護士、政治家ならば独身でも格好がつくけれど、普通の会社員では仕事の忙しさは未婚の理由にならない』と言われました」

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