今回のW杯の衝撃はアジアが4勝もしたことだ 1勝もできなかったブラジル大会とは対照的
今回のロシア大会では、アジアから初めて5チームが出場し、少なくとも4試合で勝利した。1勝もできなかった前回ブラジル大会とは全く対照的だ。
グループステージ初戦のコロンビア戦で日本が得た勝利は、南米勢をアジアチームが下した初の勝利となった。一方、グループステージ最終戦で韓国が前回王者ドイツから得た勝ち星はまさに偉業と言える。
イランとサウジアラビアも1勝
イランも初戦のモロッコ戦で勝利したが、強豪スペインとポルトガルと同組で常に苦戦を強いられた。サウジアラビアも、敗退が決まったチーム同士の対戦となったエジプトとの最終戦で激闘の末、打ち負かした。
2006年からアジアに組み入れられているオーストラリアだけが勝利を挙げることができなかった。ゴールネットを揺らすことができなければ、組織力と闘志があってもW杯で成功できないことを示す一例と言える。
韓国代表は、2─0でドイツに勝利しても決勝トーナメントに進出できないと分かると涙した。とはいえ、初戦と第2戦で負けていたため、その可能性はごくわずかだった。
日本もアンラッキーだったと感じていたかもしれないが、最終戦でポーランドに敗れたものの、今大会初めて導入された「フェアプレーポイント」でセネガルを上回り、結局はグループステージ2位通過を果たした。
アジアで2度目の開催となる2022年のカタール大会では、開催国が自動的に本大会への出場資格を得るため、アジアから6チームが出場できる可能性がある。
中国代表が、カタール大会で多くの自国企業スポンサーと一緒に参加したいのであれば、まだ強大な運が必要だろう。あるいは、出場国が48カ国まで拡大され物議を醸している2026年大会まで、門戸が広がるのを待たねばならないかもしれない。
だが少なくとも、今回の日本と韓国の代表チームによるパフォーマンスのおかげで、W杯がすでに大きくなりすぎていると主張する人たちから、真っ先にアジアがやり玉に挙げられることはなくなるかもしれない。
(Nick Mulvenney 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
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