ではランキングを見ていこう。総合ランキング1位はSOMPOホールディングスの391.0点。環境100.0点、社会性96.2点、企業統治94.8点、人材活用100.0点といずれも高得点だった。
トップの環境は幅広い取り組みを実施。自社のバリューチェーンにおけるCO2排出量を2050年までに2002年度比で70%削減することを目指す。「損保ジャパン日本興亜の森林」として全国5カ所の各自治体と協定を結び、地域の人々、社員、代理店・その家族とともに森林整備活動や環境教育を開催するなど、ステークホルダーと力をあわせた活動を進めている。
同社は気候変動による自然災害の増加は、保険金支払いの増加につながるという危機意識を持つ。自社の環境負荷削減だけでなく、干ばつ被害に伴う収入減少を補償する「天候インデックス保険」を提供するなど、社会での課題解決の意識は高い。
人材活用では女性関連の指標を中心に高得点となった。女性が過半数を占める職場で育児休業の取得や女性管理職登用を積極的に推進。女性管理職比率も15.3%と高い。「時間当たりの生産性」を高めることを意識し、テレワークやシフト勤務なども活用。各職場でも具体策を設定し、残業時間は月9.0時間と低いレベルにある。男女問わず働きやすい環境が整っている。
2位はKDDIで386.0点。環境95.9点、社会性97.4点、企業統治97.9点、人材活用94.8点。バランスよく得点し、CSR企業ランキングでも同じ2位だった。
3位はNTTドコモで385.4点。環境93.2点、社会性97.4点、企業統治97.9点、人材活用96.9点。CSR企業ランキングは1位だが、こちらは3位となった。KDDIには人材活用は上回ったものの環境が届かなかった。
4位のアサヒは「責任ある飲酒」などテーマが幅広い
4位はアサヒグループホールディングスの385.0点。環境95.9点、社会性97.4点、企業統治96.9点、人材活用94.8点とすべて90点台だった。活動のマテリアリティ(重要課題)は「食と健康」「環境」「人と社会」の3つの活動領域を設定。「責任ある飲酒」「食の安全・安心」「人材育成・ダイバーシティ」「持続可能なサプライチェーン」などを重点テーマとし、幅広く取り組んでいる。
東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県東松島市では産業や雇用の創出を目的とした「希望の大麦プロジェクト」を実施。大麦栽培と収穫後の製品化および販売を行うなど、事業と関連した社会の課題を積極的に解決しようとしている。
人材活用も高い得点。女性管理職比率は8.1%と全社平均6.9%を上回る。勤続年数も男性18.0年に対して女性16.2年と男女差は小さく、女性が働きやすい職場であることがうかがえる。2017年の新卒3年後定着率は100%。多くの制度が充実し、働きやすい職場といえそうだ。
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