ペットの病気、「安楽死」というタブーの真実 言葉自体タブーかもしれないが選択肢はある

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安楽死は、手術と同じように麻酔をする。この段階で意識はなくなり、痛みも感じない状態になる。そして点滴で薬剤投与をして心臓や脳の機能を停止させる。

麻酔が効くまでの間にお別れを済ませた後は医師に任せ、最期の死に際は立ち会わない飼い主さんが多いそうだ。

亡くなった後は、涙にくれる飼い主さんもいるし、

「やれることはやったんだから……」

と納得する飼い主さんもいる。結局、これが正しいという答えはない。

ただ現在ペットを飼っている人は、安楽死という選択肢があるということを覚えておいてもいいと思う。

亡くなった後は

最後に、ペットが亡くなってしまった後の問題に触れたい。

亡くなった後は、火葬場で荼毘に付し、お墓を作る人が多い。これも値段はあってないようなものだ。おカネをかけようと思えばいくらでもかけられる。

沖山先生は、飼い主から聞かれた場合は、近所にある信頼の置ける霊園を紹介するようにしている。事前に霊園からもらっている料金表も見せている。

最近では自動車でわが家に来て火葬してくれる、移動式のペット葬儀社もあって便利だ。ただし、ペット葬儀関連では不当請求や、死体の不法投棄などトラブルも多く発生している。

ペットが亡くなってショックではあるが、最後に後悔しないためには、事前によく情報を調べることが大事だ。

個人的な話だが、

「ペットが亡くなったのだが、どこで火葬してもらうのがいいか知らないか?」

と聞かれたことがある。僕は、

「飼っていたペットが死んだ場合は、所轄区域の清掃事務所に電話すれば有料で引き取ってもらえるよ」

と教えた。例えば僕が住む地域では、杉並清掃事務所が遺骸を引き取ってくれて合同葬という形で荼毘に付してもらえる。値段は3100円と安いし、区がやることであるから間違いもないと思った。

しかし、知り合いは清掃事務所に遺骸を渡すというのに強い拒否感を覚えたらしい。

「うちの子はゴミじゃないから!! 考えられない!!」

と怒られてしまった。親切で教えたのだが、裏目に出てしまった。

このようにペットに関しては、飼い主それぞれで考え方が大きく違う。擬人化して家族以上に愛する人もいるし、ある程度距離を置いてかわいがる人もいる。もちろん虐待は絶対にダメだが、治療や葬儀などの細かいルールは飼い主が自分自身で決めることなのだ。

人に任せきりにせず、自分で調べそして考えて結果を出すのが、のちのち後悔しない最善の道だと思う。

村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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