ペットの病気、「安楽死」というタブーの真実

言葉自体タブーかもしれないが選択肢はある

峰動物病院の院長、沖山峯保さん(筆者撮影)

空前のペットブームと言われて久しい。

1人あたりがペットにかけるおカネは年々高額になってきている。ただし日本全国で飼われているペットの匹数は、猫は横ばい、犬は減少傾向にある。つまり1匹あたりにかけるおカネが上がっているのだ。ペットを家族の一員として扱い、十分におカネをかけて育てるようになったと言える。

ペットフード、ペットケア製品では高額商品も登場しているが、ただそれらの商品は値段的にはたかがしれている。

ペットを飼ううえで最もおカネがかかるのが、医療費だ。人間と違って健康保険がないため、どうしても高額になりがちだ。

知人の20代女性の飼い猫が体調を崩したので病院に連れて行くと、ただちに入院することになった。

「後から30万円を請求されて、『え?』ってなりました。正直2万~3万円だと思っていました。もちろん猫の健康は大事ですけど、30万円はちょっと……。文句も言えないので、親に借金をして払いました」

と語った。

このような問題は全国で後を絶たないという。ペットの治療はどこまでおカネをかけるべきなのか? これは、とても難しい問題だ。

『やさしい猫の看取りかた』(角川春樹事務所)の著作がある、峰動物病院の院長、沖山峯保さんに話を聞いた。

100万円以上かかる手術も

「治療費に関しては、もちろんおカネに余裕がある人は、いくらおカネをかけてもいいと思います。100万円以上かかる手術もあります」

犬の心臓(僧帽弁)の手術では代金が100万円を超えることも少なくない。しかも手術をしたとしても、その後元気になる可能性は半分程度だという。それでも手術をする人はいる。飼い主に支払い能力があり、かつ払っていいと思っているならば問題はない。ただ誰もがそのような環境にはいない。

「やはり最初におカネの話はしたほうがいいです。おカネは大事ですからね。ペットは自由診療ですから、同じ治療をしても病院によって値段が大きく変わることがあります。A病院では5万円だったのに、B病院では50万円かかった、なんて場合もありますよ」

次ページ飼い主も獣医も積極的にはおカネの話をしない
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