半導体、「しばらく不況は来ない」説は本当か

構造変化で需要爆発だがリスク指摘する声も

6月5日、都内で会見したGMOインターネットの熊谷正寿社長。この日発表されたマイニングマシン「GMOマイナーB2」には同社が開発し、7nmプロセスを採用したASICが搭載されている(記者撮影)

この盛り上がりはどこまで続くのか。半導体業界はこれまで、3~5年で好不況を繰り返す「シリコンサイクル」に悩まされてきた。技術革新のスピードが速いため、一時的な好況はあってもすぐに供給過剰となり、各社の業績は周期的に落ち込んでいた経緯がある。

にもかかわらず、今回の好調はアナリストなどから「需要はずっと右肩上がり。遠未来まで大丈夫に等しい」との声が漏れている。好況期の長さは通常のレベルを超えているという「スーパーサイクル」論も飛び出しているほどだ。

「スーパーサイクル」論はどこまで正しいか

だが、過去には大幅な調整を経験しているのも事実。リスクを指摘する声もある。

懸念されているのは、需給バランスの悪化だ。2017年の半導体市場を牽引してきたのはメモリ半導体だった。開発競争の激しいメモリの価格はもともと下落しやすい傾向があるが、データセンター向け需要が突如現れたことにより、2017年は例外的に価格上昇が続いた。

たとえば一時記憶用のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリ)は、パソコンやデータセンターで用いられるDDR4の4ギガビット品の価格が2016年第1四半期に1.8ドルだったところ、2017年第4四半期には3.95ドル(約2.2倍)まで上昇した(IHSマークイット調べ)。

しかし、各社の増産によって供給は追いつき始めている。2017年末ごろからデータ保存用のNAND型フラッシュメモリの価格は下落を始め、DRAMの上昇も一服している。

NAND型フラッシュメモリの場合は、パソコンやデータセンターで用いられているハードディスクからの置き換え需要があるため、価格下落によって置き換えが進めば価格が反転しやすい。

一方でDRAMはそうした需要増が期待できず、供給過多による価格下落が進行しやすいという問題がある。ガートナーの山地正恒主席アナリストは「DRAMの売上高は2019年から2020年で一旦ほぼ半減する」と見ている。

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