半導体、「しばらく不況は来ない」説は本当か

構造変化で需要爆発だがリスク指摘する声も

東京エレクトロンのクリーンルーム。2017年度は最高純益を更新。2020年度売上高1兆7000億円を目標に工場新設など旺盛な投資を続けている(写真:東京エレクトロン)

半導体業界が未曾有の好況に沸いている。

WSTS(世界半導体市場統計)によると、半導体の販売額は2017年に前年比21%増の4122億ドル(約45兆円)、2018年も同12%増の4634億ドル(約51兆円)と2年連続で2ケタ成長を続ける見込みだ。

関連企業の業績はうなぎのぼりだ。世界の半導体シェアでトップを走る韓国サムスン電子は、半導体部門の好調に牽引され2017年度の売上高が25兆円強、営業利益は5兆円と過去最高を更新。半導体部門の設備投資の規模も2.6兆円と前期に比べて倍増した。

6月25日発売の『週刊東洋経済』は、「ビッグデータ、EVシフトで需要爆発 怒涛の半導体&電池」を特集。データ流通量の爆発的拡大で市場が大きく伸びる半導体と、車載用を中心に需要が増えているリチウムイオン電池の2業界をクローズアップしている。

週刊東洋経済6月25日発売号(6月30日号)の特集は「怒涛の半導体&電池」です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

日本企業も半導体市場の好調に恩恵を受けている。半導体製造装置で世界4位の東京エレクトロンの2018年度(2019年3月期)業績は、エッチング装置や成膜装置といった注力分野でのシェア上昇によって、3期連続となる過去最高純利益の更新が見込まれる。半導体の基盤となるシリコンウエハで世界トップクラスのシェアを持つSUMCOも値上げと販売数量増により、2018年度の営業利益は前期比倍増の850億円(前々期比では6倍増)となる見通しだ。

こうした中、メーカー首脳からは強気な声が相次いで聞こえてくる。東京エレクトロンの河合利樹社長は「ITバブル時代と比べ、今は実需が伴っている。半導体産業は一段上のフェーズに入った」と語る。業界団体SEMIジャパンの浜島雅彦代表は「技術やソフトウェアなどすべての条件が揃った。爆発的な市場の伸びが期待できる」と自信満々だ。

「ビッグデータ社会」の到来で空前の好況に

好調の背景にあるのは、半導体業界の構造変化だ。これまで半導体の需要を牽引していたのは、パソコンやスマートフォンといった特定の製品だったが、現在は、端末がネットに接続することで生まれる「データ」そのものが主役になっている。

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