個人に発言権を与えたネットの功罪
インターネットによって、ユーザーの発信が可能になったことは非常に素晴らしいことです。しかし、これによって企業が変革を迫られているのも事実です。泣き寝入りするユーザーが減る一方で、非常識と思えるほどの過激なレビューを書くユーザーが激増しています。これは「リテラシーの低下」というより、いつの時代にも一定数は必ず存在するリテラシーの低いユーザーにまで発信の機会が与えられたことが原因でしょう。
大変なのはアップルです。これはボクの持論であり、多くのアップルウォッチャーも同意している見解なのですが、アップルは本来、ユーザーの声に耳を傾けるような会社ではありません。ユーザーが気づきもしない「新たな価値観」を突然、提示して革命を起こしてきました。
皮肉なことに、「新たな価値観」に熱狂したアップルファンは「新たな価値観」中毒に陥ってしまい、そうでないアップルに対して不満を抱くようになりました。そうすると、ユーザーがいて初めて存続可能な一企業であるアップルは、どうしてもユーザーへの歩み寄りをはかるようになっていきます。しかし、そうなったときが、アップルがアップルでなくなるときです。
話題が全然変わるようですが、10月24日、人気アイドルグループ・NMB48の山本彩さんが、ピアスの穴を新しく開けたことをGoogle+で報告し、それに対して一部のファンが痛烈な批判を浴びせ、本人が凹んでしまうという出来事がありました。これは20世紀までのアイドルの形態ではありえなかったことです。
個人に発言権を与えたSNSの功績はとてつもなく大きい。しかし、裏ではさまざまな矛盾が起こっている事実も認識すべきでしょう。誰かが得をすれば、誰かが傷つくのです。
ファンはファンらしく温かく見守ろう
アップルに対して発言権のある株主はさておき、少なくともファンはファンらしく、温かく見守りましょうよ。
現時点では、アップルはまだ他の企業との競争にはあまり巻き込まれず、悠々と新たなエリアの開拓にチャレンジしています。気長に待ちましょう。ジョブズがいなくても、なんとかなると信じればよいのです。ファンによって殺されるなんて事態が絶対にないことを祈ります。
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