軽い動きでも効果ある「超簡単筋トレ」の中身 何もしないと筋肉量は20代をピークに落ちる
なぜ仲間と競って筋トレをしていた筋肉質の体が、見る影もない肥満体型になってしまったのか。それは、運動をやめた後に、筋肉量が落ちていくにもかかわらず、運動をしていたときと同じカロリーを摂取していたからだ。カロリーオーバーになれば、脂肪がつき、肥満度が増すのは当然だ。
そういった人が、「自分は昔、運動で鍛えていたのだから、ほかの人とは違う。今は仕事が忙しく接待続きで太ってしまったが、その気になればいつでも減量できるし、今でも多くの人より体力や運動能力は高い」と信じていたとしたら、どうだろう。はたして、過去に運動をしていた人は、過去の運動経験の「持ち越し効果」によっていつまでも高い体力や運動能力、あるいは理想的な体型を維持できているのだろうか。
過去のスポーツ経験は肥満度や歩く能力に関係ない
答えは残念ながらノーだ。2015年にスポーツ庁が発表した「体力・運動能力調査結果」の分析によると、学生時代に部活で運動をした経験がある人と、経験のない人を比較したところ、「肥満度(30代〜40代で比較)」や「歩く能力(高齢者で比較)」に差は見られなかったというのだ。過去のスポーツ経験はまったく関係ない。重要なのは、現在運動を実施することだ、という報告である。
多忙なビジネスマンに「適度な運動」として筆者がお勧めしたいのが「ゆるスクワット」だ。イスを用いた、超簡単な筋トレである。息を吐きながら、ゆっくり立ち上がる。息を吸いながら、ゆっくり座る。この繰り返しとなる。
スクワットには、さまざまな種類がある。ヒンズースクワットのようにプロレスラーが1000回続けて行うタイプもあれば、ダイエットのためにダンベルで負荷をかけるタイプもある。オリンピックを目指すアスリートには、目的の部分に負荷がかかるような変型スクワットでトレーニングを重ねる選手もいる。
ゆるスクワットは、80代や90代の高齢者でもできる、安全な方法だ。イスから立ち上がり、腰を下ろすといった、日常生活で誰もが行う動作をベースにしている。太ももの前側にある大腿四頭筋、後ろ側のハムストリング、お尻の大臀筋、ふくらはぎ周辺の筋肉などを使う。これらの筋肉を同時にバランスよく刺激して、効率よく筋肉量と筋力をアップさせるのが狙いだ。
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