就活生が嫌がる「AIによる採用」導入は進むか 検討企業11%、実施企業わずか2%にとどまる

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反対する理由で最も多いのは、AI技術への不信感だ。機械が人を判断できるはずはないと考える学生は多い。

「平等かもしれないが機械には人の心がない」(日本大学・理系)
「人に判断してほしい」(九州大学・理系)
「コンピュータに自分を判断されたくない」(立命館大学・文系)
「人の気持ちを理解しないから」(慶應義塾大学・文系)
「機械に判別してもらいたいと思わない」(関西外国語大学・文系)
「言葉の裏にある温かみまでAIはわからないと思う」(法政大学・理系)

​ESを採用担当者が読まないことに対する抵抗も強い。ちなみに各種報道を見ても、AIに関する記事は多いが、中身について報じる記事は皆無。選考に使うなら中身を公開すべきだという理系学生の意見もある。

「一人一人がていねいに書いているなかで採用者が読まないのはおかしい」(横浜国立大学・理系)
「時間をかけて書いているのだから、読むくらいはしてほしい」(東北大学・理系)
「AIと呼ばれる技術の中身が不鮮明。どのようなアルゴリズムなのかを公開するべき」(京都大学・理系)

​「どちらとも言えない」という回答は文理ともに42%と多いが、ESの合否判定にAIを活用するという意味をはっきり分かっていないようだ。もっとも、ソフトバンクやサッポロビールの記事を読んでも、「誤字や文章力をAIはどう判断するのか」「合格にする基準は何か」などについては、書かれていない。

ていねいに書いても採用者が読まないなんて

説明には「過去のデータをAIに入れて精度を上げる」とあるが、AIが採用データとその後の人材データをどう学習するのかはわからないので、学生が「どちらとも言えない」というのももっともだろう。

「誤字チェックであれば人間でなくても問題ないと思うが、内容に関しては、人間と関わるのは人間であってほしい気持ちがある」(岡山大学・理系)
「判断基準を教えてほしい」(東京大学・理系)
「AIが正しいとは限らない」(東京工業大学・理系)
「人の目で判別してほしいと思う反面、やはり新しい取り組みは、日本としてどんどん取り組むべきだと感じるため」(東京農工大学・理系)

​一方、AI活用に賛成する学生が挙げる理由は、「平等」「正当」「公平」だ。ESについても一生懸命に考えて書く学生がいる一方で、コピペでごまかす学生もいる。就活本やWebに出回っている模範ESを人事がすべてチェックするのは不可能である。

まじめに書いた不器用なESが不合格になり、要領よく書いたスマートなESが合格することもありうるだろう。「コピペ防止」(東北大学・理系)、「就活本からのコピペをはじくことができるから」(名古屋工業大学・理系)という意見はもっともだ。

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