就活生が嫌がる「AIによる採用」導入は進むか 検討企業11%、実施企業わずか2%にとどまる

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さらに賛成意見では、人よりもAIの基準のほうが明確、と考える学生が多いようだ。確かに多数のESを処理するために人事部や、場合によっては応援社員が読むが、人によって判断が異なるのは当たり前だ。

「ESは現在でも、人事の方のそのときの状況や、どの人事の方が読むかによって、選考基準に違いが少なからず出てしまうのではないかと思っていて、それを防ぐことができるから」(早稲田大学・文系)
「人事のそのときの気分や違う人で差が出ないから」(愛媛大学・理系)
「企業と学生のミスマッチを防ぐためにも、より事実に立脚した合理的な判断ができる要素を採用過程において取り入れるべきだから」(東京外国語大学・文系)
「正当に評価してもらえるのであれば構わない」(名古屋大学・理系)

​AI活用によって、ESの合否判定がスピーディーに行われることを期待する声も多い。また現在の就活では、企業からの連絡がなく宙ぶらりんの状態になることも多い。早く結果が出れば、落ちた場合は次の企業に取り組めるし、合格すれば早く面接できる。学生のストレスはかなり解消するはずだ。

「早く結果が知れそう」(滋賀大学・文系)
「余った時間でより多く面接をしてほしい」(名古屋工業大学・理系)
「ある程度ESは見て判断できると思う。面接でじっくり話を聞いてもらえるのが一番だと思う。文章力はAIがみればよい」(大阪薬科大学・理系)

「面接」のAI導入にはさらに拒否反応

しかし、AIによる面接選考になると、ES選考よりもさらに拒否反応が強くなる。「面接の合否判定にAIを活用する動き」について聞いたところ、文系では496人中、賛成は11%(57人)、どちらとも言えない33%(162人)、反対56%(277人)だ。賛成は1割ほどで、反対は半数を超えている。

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理系は文系よりも容認する者が多いが、それでもES選考より賛成は少ない。306人中、賛成は16%(50人)で、どちらとも言えない36%(109人)、反対48%(147人)だ。ES選考よりも「機械に判定してもらいたくない」という抵抗感が強いようだ。

一方、面接でのAI活用に賛成する人の声を聞くと、「面接の合否基準が不明確だから」というのが多い。

「明確な基準があれば対策しやすいから」(東北大学・理系)、
「合否判定の基準が明確になるから」(同志社大学・理系)、
「面接官との相性というくだらないものはなくなるべきだから」(名古屋工業大学・理系)
「偏見のない採用が可能」(京都大学・理系)

​選考(エントリーシートと面接)でのAI活用について見てきたが、企業はどのように考えているのだろうか?

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