捕手として大活躍された梨田さんから教わったことは、リードやキャッチングなどテクニック面だけではなく、捕手とはどういうものかという心構えまで含めて多岐に渡り、とても沢山のことを学ばせていただきました。
梨田体制1年目は私自身、怪我がありながらも捕手として87試合に出場しました。打撃は好調でしたが、守備面では盗塁が刺せないという致命的な欠点が浮き彫りになったシーズンでもありました。ですから、この年のオフでは欠点を克服すべく、色々な練習を取り入れ、来季に向けてトレーニングを重ねました。また、このとき背番号も梨田さんが現役時代着けておられた「8」番に変更となり、来季から捕手としての活躍を期待されていたのです。
しかし、期待に反して状態は良くならず、2001年のオープン戦中、監督に呼ばれ、打撃を生かすために外野手一本でやってみないか、という提案を受けました。
なんとか捕手として大成したかったので非常に悩みましたが、その提案を受け入れ、2001年シーズンからはライトのレギュラーとして試合出場するという選択肢を取ったのです。
この年、近鉄バファローズは12年ぶりにリーグ優勝。
個人的には打撃部門においてすべてキャリアハイの成績を残し、唯一のタイトルであるベストナインを受賞することが出来ました。
梨田采配が良かったところ
ですから、私の野球人生のターニングポイントでもある「外野手・礒部」を作ってくれたのは梨田さんでした。
梨田采配というのは、オーソドックスでセオリー通りの野球をする、というのがメインですが、一方で自身の捕手経験からか、試合の流れを変えるような奇襲も取り入れる、というものです。この奇襲という部分に関しては、元近鉄の監督も務められた、今はなき仰木彬氏の影響も、大いにあるように思います。
そんな采配の甲斐なく、とうとうこんな事態に陥ってしまいました。ただただ残念です。しかし、まだまだ戦いは続く。これから、リーグ戦がリスタートするのですから。
ここまでの楽天の戦いを振り返ると、昨年とは勝ち負けが真逆になっています。
投手陣において、則本投手・岸投手はそれなりの成績を残していますが、昨年2桁勝利を挙げた美馬投手、中継ぎで活躍した福山投手・高梨投手、クローザーの松井投手が開幕から状態が良くならず、軒並み昨年以下の不本意な成績に終わっているため、勝ち星が増えて来ないのが現状です。
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