サポーター代表としてスピーチをしたKDDIの髙橋誠社長は、支援の意気込みを次のように語りました。
「スタートアップと大企業の連携において重要なのはスタートアップに対するベクトルです。米国の大企業の人たちは、スタートアップのマインドをよく理解し、自分たちのアセットでスタートアップを伸ばすすべを知っています。その意味で日本の企業にとって、社内のスタートアップ支援者をいかに増やすかが、大変難しいけれど大切だと思います。
大企業はデジタルトランスフォーメーションを迫られています。企業存続の意味で、この活動はスタートアップのためだけでなく、われわれ自身の課題とつくづく感じます。J-Startupは大変意義のある事業。ぜひともユニコーンレベルの企業となって世界で活躍されるスタートアップを1社でも多く生み出せるようわれわれとしても支援させていただきます」
J-Startupのローンチセレモニーにはスタートアップ関係者のみならず、フランス大使、インド大使、英国大使館高官、海外メディアなども参加し、立ち見も多数出るほどの大盛況でした。交流会でもスタートアップとサポーターの熱い意見交換が続きました。
なぜ、今、J-Startupなのか
未上場で時価総額10億ドルを超える急成長スタートアップをユニコーンと言い、ベンチャーの活力の目安とすることが定着してきました。幻の一角獣(ユニコーン)と1billion(10億ドル)の語感とイメージを重ねた表現です。
これらの企業が次のグーグル、フェイスブック、アマゾンや、次の百度、アリババ、テンセントになり、経済を牽引するといわれています。また、技術の進展で、いち早くマーケットを獲得した企業が長期にわたり主導権を握る「Winner takes all」の傾向が強まり、プラットフォーマーを目指すユニコーンの重要性が増しています。
現在、米国で100社以上、中国で60社以上のユニコーンが生まれています。一方、日本ではユニコーンはほとんど存在しません。そうした中で、日本発ユニコーンの代表だったのが6月19日に上場したメルカリです。同社はフリーマーケットアプリで1億ダウンロードを突破して海外展開も進んでいます。そして、メルカリに続くユニコーンが、深層学習・エッジコンピューティングのプリファードネットワークスです。
そのほか、上場済みの時価総額10億ドル超え企業としてはサイバーダイン、ペプチドリーム、PKSHA Technologyなどがあります。これらは創業から短期間で時価総額10億ドル超えを実現しましたが、日本ではその数は多くありません。
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