当初は離れる視聴者を覚悟した
――それが自信につながったのはどれくらいからなんですか?
よく言われるんですが、やはり3話でキャラクターの死を描いたところで一気に盛り上がった感じはありましたね。当時は「これを放送したら離れてしまう視聴者はいるかもしれない。でも、面白いと言ってくれる人は必ずいますよ」ぐらいの気分だったので、あそこまで皆さんが楽しんでくれたのは、いい意味での誤算でした。
――普段それほどアニメを見ないであろう人たちも、いったん本編を見てしまえば引き付けられるところが本作にはあると思います。理由がどこにあるとお考えですか?
やはりエンターテインメント作品として良質な作品なんだと思います。たとえばレンタルビデオ屋さんでどれを借りようかというとき、アニメもテレビドラマも洋画も邦画も同一線上だと思うのです。その中でどれを見てみようかな、どれが面白いのかなと考えたとしても、やはりこの作品は薦められる作品だと思います。自画自賛というよりも、作ったスタッフがすごいなというふうにあらためて感じています。
――見方によっては、テレビ版で物語が完結しているようにも感じられます。劇場版が企画されたのはどの段階だったのでしょうか?
テレビ版の反響を受けてからですね。もともと僕らもテレビ版で完結していると思っていましたから。それがこれだけヒットしたので、この世界観でまた作品を作りたいねという声が起こり、そこから始めたということです。内容としてはもちろんスピンオフのようなものもありえるでしょうし、どういうものがいいのかと話し合ったわけですが、その中で、やはりこのキャラクターたちが活躍する続編的なものをやろうという結論になり、今回の新編につながったわけです。
――映画劇場版は、テレビ版と地続きの物語になっているのでしょうか? パラレルワールド的な別の世界を描くというやり方もできそうですが。
地続きですね。とはいえ、この世界観にはタイムリープはありますし、並行宇宙的な概念もありますから、そこはあえて限定せずに、お客さまにはいろいろなことを想像しながら見に来てほしいなと思っています。
――本当にギリギリまで制作されているとのことですが、具体的にどこにこだわって時間がかかるものなのでしょうか?
アニメーション制作という絵作りの部分ですね。そもそも通常のアニメ映画の倍くらいのカット数があるので。情報量も多いですし、かつワンカットワンカットがすべて創意工夫にあふれている内容なので、これを作るのは本当に大変なことだと思いますね。
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