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たった1年で大手銀行を見放した24歳の真意 ワークライフにおける最大のリスクを考える

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  • 田中 道昭 日本工業大学大学院技術経営研究科教授
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この点に気がついてしまったことが、会社を1年で辞めることになった最大のきっかけだったと彼女は語ってくれたのです。

変化のおだやかな時代ならいざ知らず、今は驚くほど変化の激しい時代です。先輩から教えてもらったスキルが、定年まで使えるということは少なくなってくるでしょう。「3年頑張る」こと自体にどのような意味があるかを真剣に考えるタイミングが到来していると私は思います。

「動くリスク」と「動かないリスク」

「動くリスク」と「動かないリスク」を天秤にかけると、「動かないリスク」に傾くような時代ともいえるのです。20代はスキルや知識、経験を身に付けるよい機会です。若いからこそ、「動かない」ことがリスクになります。私は水谷さんの話を聞いて、「あのとき辞めなければよかった」という後悔のリスクと、「あのとき辞めるという決断をしておけばよかった」という後悔のリスクでは、後者のリスクの方が彼女にとって大きいと感じました。

水谷さんからは転職後3カ月を経過してから、「自分のミッションだと信じることに従って転職してよかったです」という連絡をいただきました。「よかった」という言葉を聞き、彼女は何があっても「後悔のリスク」という点においては後悔することはないのではないかと思いました。

「やってしまったことの後悔は日々小さくなるが、やらなかったことの後悔は日々大きくなる」。私の母校である山梨県立日川高校の先輩でもある作家の林真理子さんの言葉です。「後悔のリスク」こそ、ワークライフにおける最大のリスクだと私は確信しています。

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もちろん、転職を奨励しているわけではありません。会社にとどまる、会社の外に出るという2つの選択を迫っても、それは本質ではないということです。会社にとどまるも外に飛び出すのも「結果」であり、その人のミッションにかなっていれば、どちらでもいいものです。

人の思考や行動の枠組みの最上位概念として、存在意義や使命を明らかにすることがミッションです。ミッションが明確であればビジョンが決まり、日々の行動も決まってきます。米国のリーダーシップ論では、リーダーシップは、セルフリーダーシップ、チームリーダーシップ、ソーシャルリーダーシップ、グローバルリーダーシップという4段階があると解説されていますが、基底となるセルフリーダーシップこそ、ミッションにより発動されるものです。

MITビジネススクール教授のケン・ブランチャードによれば、セルフリーダーシップとは「自分に対して自分からリーダーシップを発揮すること」であり、「目標達成を図る力」だと言います。優秀なリーダーほど、ミッションに裏づけられたセルフリーダーシップが強いものなのです。

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