81歳社長が率いるMマートの次なる事業構想

村橋孝嶺社長にビジネスモデルを聞く

小林:私の前職のDeNAも創業時はシステム開発を外部委託していたのですが、当時は大変苦労したという話を聞きました。納品日に納品されるはずのものが全く存在せず、白紙だったんですよ(笑)。その経験から自前で開発する方針に切り替えたことで、結果としてDeNAの競争力が上がりました。

村橋:当時はほとんど外注していたんですよね。みんな、それで失敗しています。

質の低い売り手は淘汰される生態系

小林:続いて顧客開拓について伺いたいのですが、Mマートでは、軌道に乗ってからは買い手側への営業はpほとんどしなくなったと聞いております。

村橋:はい、買い手側には営業しておりません。放っておいても毎月600~700社の登録があります。

(Mマート「成長可能性に関する説明資料」より)

小林:すでに認知度は高いわけですね。

村橋:そうですね、毎年7000社から8000社が買い手登録してくれているわけですからね。

小林:一方、売り手側の卸やメーカーには開拓営業の方がいらっしゃるんですか?

村橋:そうです。売り手側の方の意識が遅れていますね。Mマートを始めて5~6年経ってある程度の規模を確立した頃、交流会と称して、売り手と買い手をいっぺんにホテルに集めてみたのです。

こちらの意図としては、売り手が買い手を探しやすいように会場を設計していたのですが、蓋を開けてみると、うちの社員を捕まえて「畜産の卸はどの人ですか?水産の卸はどの人ですか?」と貪欲に取引先開拓をするのは買い手側なんですよ。売り手側は、「いったいニーズはどこにあるのか」などと、見当違いの方を見て考えています。

村上:そこで象徴的な光景をご覧になったわけですね。

村橋:そうなんですよ。メーカーも問屋も、高度成長期の考え方を引きずっているわけですね。

村上:その、売り手を開拓する時の考え方についてお聞きしたいのですが、「良いものを安く」という創業時のお考えでいくと、単純に売り手の数を増やすのではなく、御社の目で値段とクオリティの目利きをされた売り手を開拓しなければならなかったのではないでしょうか?

村橋:その通りです。そして、これは人間の努力では担保できません。自動的なシステムで担保しないと不可能です。品質の担保については、売買して10日後に買い手側に必ず自動的に、品質・満足度に関するアンケートメールが送信されます。

返信すると50ポイント差し上げているので、回収率がいいんですね。そうやって回収したアンケートは、当社と出店者に共有されます。出店者はそれを見て悪い印象があれば改善する必要があります。当社では、点数が悪いと売り手側に電話をしています。そういったものがリアルタイムに集積されてネット上に残っていきます。

そうすると、売り手は品質に対してこちらがうるさく言わなくても神経を使ってくれるようになります。

村上:品質の良いところだけが残っていくわけですね。卸側を淘汰する仕組みを用意していると。

村橋:はい。もうひとつの仕組みはシステム利用料です。うちは25000円で1年契約ですが、1年経つと10000円値上げしてしまいます。そこで半分くらいふるいにかけてしまいます。

「1年経って値上げに応じられないような競争力のないところは、Mマートで続けていくのは難しいですよ」というメッセージです。

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