81歳社長が率いるMマートの次なる事業構想

村橋孝嶺社長にビジネスモデルを聞く

村橋:販促は顧客リストさえあればできますが、デジタルマーケティングはビッグデータがなければできない性質のものです。幸い当社にはビッグデータが蓄積されているので、これを駆使してデジタルマーケティングを進化させ、売り手と買い手に役立ててもらうことを考えています。売り手も売上が伸び、買い手は店が良くなるような、そんな情報を提供していきたいと思っています。

ネットもAIも本質は変わらない

村上:御社のプラットフォームに海外の買い手が来ることについてはどうお考えですか?実際にそういうケースもあるのでしょうか。

村橋:はい、昔から世界中からアクセスがあります。今は40人ほどで電話対応をしていますが、昔は20人ほどでやっていたのでハローと言われたら受話器をそっと置いていました(笑)

そこで、私たちですべて対応するのは難しいから、出店者に紹介して出店者に任せようということになりました。去年、静岡のメロンを扱う農家さんが出店されたのですが、出店して6ヶ月もしないうちにシンガポールの業者から、直接取引でメロンを毎週1トンという契約ができたそうです。私共に感謝の電話がありました。私は「それは良かった。」と一緒に喜びました。こちらには1円の利益もないですけれど(笑)。

村上:現状では御社の利益にはつながっていないけれども、すでに海外からの買い付けニーズがあるんですね。

村橋:ニーズが多いようならば、当社でまとめることを考えてもいいかなと思っています。

村上:では、海外の買い手との仲介ビジネスについては、現在は仕組みを入れる前段階というわけですね。

村橋:国際物流がまだはっきりしていませんからね。関税の問題やインフラが整備されたら、当社が取りまとめるという形にしたいです。

小林:マーケット全体にはまだ成長余地があり、その前段で変革しなければいけない部分が多くあるなかで、御社がより存在感を示すために今いちばん必要なもの、あるいは、現在不足しているものはありますか?

村橋:エンジニアですね。営業は自分のところで教育できますがエンジニアは難しいです。

小林:今日の率直な感想ですが、インターネットを用いたビジネスを、64歳という一般的には定年間近とされる年齢でゼロから始められたことが、本当に凄いことだと思いました。

村橋:やる気があれば年齢は関係ないですよ(笑)。年配の人と集まった時に、「みんな何してるんだ!」といつも言っています。「若い人よりも知識も経験も持っているんだから活かしなさいよ!」と。

「ネットビジネスはわからない」ではダメです。売り買いは、人間の心理に基づいているものなので、昭和の時代から変わりません。道具が違うだけです。道具は若い人に任せればいいわけです。

小林:飲食店経営時代に売り手と買い手の機微を生き抜いてこられたことが脈々と生きているんですね。

村橋:そうです。AIだって、アルゴリズムの延長、アルゴリズムは因果関係の延長、因果という言葉はお釈迦さんの時代からとあります。AIだからって真新しいことをしているわけではありません。みんな言葉に惑わされているだけです。すべては心理学。心理学は人類みな一緒。歳をとった人がやればいいんですよ。

(ライター:中村慎太郎)

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