「感情を紙に書く」習慣でストレスは減らせる 1日20分、その日思ったことを書き出すだけ
不安や心配事は、紙に書くより誰かに話したいという人も多いと思います。しかし人に話す場合、相手によく見られたいと思って本当のことを言わなかったり、嘘をついてしまいがちなのです。
また、相手によって話す内容も変わりますし、相談して不安が消えることはほぼありません。
それでは自分と向き合えませんし、そもそも他人にすべてを言える人はあまりいないでしょう。自分自身の気持ちを客観的に見直すことができるので、「紙に書くこと」を、強く推奨します。
日付を書いてとっておこう
書いたものは捨ててしまってもかまいませんが、私は日付を書いてとっておくことをおすすめしています。書いたものを写メで記録しておいてもいいですし、パソコンやスマホに打ち込んでもいいでしょう。
そうやって残したものは、「今日はイヤなことあったな」「不安を感じるな」と思ったとき、数カ月後や1年先に読み返してみます。すると本当にどうでもいいことが書いてあったりして、「なんだ、こんなつまらないことで悩んでいたのか1年たったらどうでもよくなるんだな。じゃあ今のこの悩みも大したことないだろう」と思えて、気が楽になるのです。
私たちは不安になると怖くなりますし、怒ると口が悪くなったり、最悪の場合、手が出ることもあります。こうなるのは感情に支配されているからです。感情は道具だと思って使いこなさなくてはいけません。
そのためには、自分がどういう感情を抱えているのか、なぜそのような感情が生まれてきているのかを客観的に眺める必要があるのです。
不安を感じているときも同様です。「今、自分は、これこれこういう理由で不安を感じている」と頭の中でもいいので文章にしてみましょう。自分の気持ちを客観的かつ冷静に捉えることができ、ストレスがやわらぐのです。そうすると感情も安定してきます。
エクスプレッシブ・ライティングを5週間続けると、ワーキングメモリが向上するという研究結果もあります。ワーキングメモリとは脳の認知機能の1つで、短期記憶を司っています。
ワーキングメモリのキャパシティが上がれば上がるほど、メンタルのコントロールができるようになったり、感情のコントロールがうまくなったり、ストレスに強くなるといったさまざまな研究結果が出ています。