雇用者急増でもGDPが減る日本経済の「謎」

3カ月で141万人も激増、就業者数は過去最高

そこで増えている働き手の中身について調べてみた。この1-3月期に増えた141万人の就業者は、男性49万人+女性92万人の内訳であり、ほぼ1対2で女性が多い。また年齢別に見ると、もっとも有意に伸びているのは65歳以上のクラスターである。つまり就業者数と雇用者数が増えているのは、「高齢者や女性がどんどん労働市場に入ってきてくれたから」であった。もっと言えば、この間に外国人労働者が増えていることも想像に難くない。

就業者増、雇用者増で労働人口の増加を 

謎解きの答えはこの辺にありそうだ。つまり「失業率2.5%、有効求人倍率1.59倍」といった雇用情勢が続くうちに、労働市場に高齢者、女性、外国人といった「ニューカマー」が増えている。と言っても、彼らは非正規雇用が多いだろうし、所得もそう多くはないだろう。だから、すぐにも個人消費が伸びるという感じではない。それでも全体として働き手が増え、名目総雇用者所得が伸びているのは結構なことである。いずれは個人消費にも反映されるだろう。

何より人口減少が進む日本経済においては、「若い男性」のリザーブはあんまり残っていない。今後はその分を高齢者と女性、さらには外国人に埋めてもらうことが必要になってくる。つまり「就業者」や「雇用者」もさることながら、働く意欲と能力を持つ「労働人口」全体を増やさなければならない。そうでないと労働投入量が頭打ちになり、経済成長が止まってしまうのだ。

そのためには、高齢者が「もう少し働いてもいいかな」と考え、女性が「仕事に就いてみようかな」と思ってもらわなければならない。「働き方改革」を進めて「多様な働き方」を可能にし、この国を「女性活躍社会」にする必要がある。

加えて次なる課題は「外国人」である。6月5日、安倍晋三首相は経済財政諮問会議で外国人労働力の受け入れ拡大を表明した。外国人労働力の総数は昨年10月末時点で127万人。すでに労働人口の2%弱を占めている。

しかるにこの問題、簡単ではないですぞ。現行の「外国人技能実習生制度」だって、ありていに言って評判がよろしくない。本当は日本の人手不足解消策なのに、「これは人づくりに寄与する国際的な援助です」という建て前になっている。にもかかわらず、人権蹂躙のような実態が全国で頻発していると聞く。「家族を連れてきちゃいけない」という制度を最長5年に延長、というのも、いささか非人道的ではあるまいか。

ともあれ雇用に関するデータは、「率」だけを見ていてはイケナイ。ちゃんと「実数」も見ないと本質を見誤る。就業者と雇用者がしっかり増えて、さらには労働人口が伸びるようにしていく必要がある、というのが本稿の結論となる。

(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が、週末の人気レースを予想するコーナーです。あらかじめご了承下さい)

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