「人間のくず」ボルトンが米朝会談を左右する 制裁強化を主導した人物は会談に同席するか
まずは「交渉の達人」を自任するトランプが、ファーストコンタクトの大切さを見逃すはずはない。得意のトランプ式握手をするだろう。
相手の手を握って離さず、時に引っ張る。そして反対側の手で、握手したままの相手の手を上からポンポンと叩く。時にはそのまま相手の肩を抱くこともある。
昨年2月10日に会談した安倍晋三首相は、19秒もの長い時間トランプ氏に手を握られ、ちょっと困ったような表情を見せていたが、正恩氏はどんな表情を浮かべるだろうか。
「人間のくず」ボルトンは同席するか?
とにかく朝鮮戦争後65年間対立し、何回も戦争直前までいった2つの国の首脳が会うことだけでも意味がある。ただ初対面だけに、米朝双方とも、会談には必要最小限の人員が参加し、非核化問題を集中的に討議することになるだろう。
米国側は、北朝鮮の交渉をまとめたマイク・ポンペオ国務長官、米朝交渉の裏方である米中央情報局(CIA)コリア・ミッションセンターのアンドリュー・キム・センター長の2人は間違いなく同席する。
北朝鮮側は、最近影武者のように金正恩・朝鮮労働党委員長に同行している金英哲・党副委員長が隣に座るはずだ。妹の金与正・党統一戦線部第1副部長も同席するかもしれない。
この場にボルトン大統領補佐官が同席するかどうかが、会談の雰囲気を左右しそうだ。ボルトンは、米前国連大使として北朝鮮への制裁強化を主導した人物。北朝鮮に対しても当時の金正日総書記を独裁者と呼び、反発する北朝鮮からは「人間のくず」とこき下ろされた。
最近も非核化の方法をめぐって短期間での完全な核放棄を実現する「リビア方式」を主張し、北朝鮮が反発。会談がいったん中止される原因となった。
もともとボルトン氏は、今回の会談に随行しないとみられていたが、トランプ米政権は急きょ首脳会談の代表団に加わると発表した。あえて強硬派を入れることで北朝鮮側を牽制し、主導権を握る狙いなのかもしれない。この人選が波乱を起こす可能性もある。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら