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「農家の直売所」が日本の農業を変える仕掛け 農業総合研究所トップにロングインタビュー

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村上:これを生産者に上手にフィードバックすると、大きな付加価値を提供できる可能性もありますが、いかがでしょうか?

及川:そうした取り組みもやっていくつもりです。ただ、「この時期にこういうのを作りましょう」というデータを提示することはやめたいと思っています。1から100まで手取り足取り提案してしまうと、農家の方が考えなくなってしまいますから。データを提供するのにやめて、その中でわからないことがあったら一緒にディスカッションしていき、いいものを作っていこうと思います。

村上:では、データを基軸にした生産者へのサジェスト機能によって御社がさらにマネタイズするというよりは、あくまでも生産者の売上拡大をサポートすることで、流通総量を増やしていくことが御社にとっては重要だ、ということですね?

AIを使って分析し、最適な出荷先を提案したい

及川:そうですね。将来的にやりたいのは、例えばトマトを作って、毎日100kg出荷しているとします。今日はどこへ出荷しようかなと思っているときに、AIを使って分析し、最適な出荷先を提案できる、というようなことです。楽天やアマゾンのように、「この商品を作った人はこれも作っていますよ」という提案をすることも考えています。こういうものをデータとして生産者に提供して、最終的には自分で考えて決断してもらうということですね。

朝倉:楽天が店舗に対して無料でコンサルティングするのと同じ狙いですね。

及川:はい、一緒ですね。

村上:生産者が販売先を選ぶことができるのが御社の特徴ですが、一方、売り手が多すぎて店舗にそれだけのスペースがないとなったケースでは、どういった対応がなされるのですか?

及川:集荷場ごとにある程度の上限を設けていて、それ以上になった時は他の店舗を選択して下さい、という仕組みになっています。

村上:具体的には、早い者勝ちである販売先のスペースが埋まってしまうと、出荷時にもう選択できなくなっている、という仕組みですか?

及川:スーパーが選べるようにするべきだと考えています。

将来的には予約制にしたいんです。来週もたくさん出荷できるので、来週もこういう形で販売しましょう、というやり取りが発生するイメージです。また、生産者は区別するべきだとも考えています。例えば年間あたり100円しか売らない生産者と1億円売る生産者に、販売者や我々が同じ対応をするのは考えづらいですよね。

たくさん出荷してくれている生産者には何らかのメリットがあるような、そういうサービスを作っているところですね。

村上:なるほど。これまで、JAと農家だけのクローズドな関係では、良くも悪くもなれ合いになってしまっていた、ビジネスとは言い難い面もあったのではないかと思います。そこに、農業総合研究所が入ることで、生産者側には競争が厳しくなる側面もあるかもしれませんが、ちゃんとビジネスとして農業に取り組んでもらうことで、生産者のレベルをあげていきたい、ということですね

小林賢治(シニフィアン共同代表。以下、小林):農家をエンパワーすることで、農業に適切な競争が生まれるようにされているんですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

(ライター:中村慎太郎)

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