その反面、極限の緊張状態の中で自分に打席が回ってきても「コレが打てなくても、別に死ぬわけじゃない」と、なるべく事態を重く受け止めすぎないようにも意識していました。これを心がけていれば、平常心で打席に立てるのです。いつも通りのパフォーマンスを土壇場で出せないのは、気負いすぎて自分に負けてしまうから。
プロ野球のゲームの際、ホーム球場では選手ごとに“登場曲”を流します。これも、そんな極限状態を平常心に引き戻す効果があることから、応援として定着しました。自分で選んだ好きな曲を聴いて、リラックスした状態で打席やマウンドに上がる=いつも通りに身体が動かせる。
相反するふたつの心理をうまくコントロールするというのは、要はバランス感覚なのだと思います。プレッシャーを感じすぎず、感じること。大事な商談の場や宴会芸の披露の場(笑)でも、本番に弱いという人は、どちらかに比重が偏っていることが原因ではないでしょうか。ちょっと意識してみてください。成功を祈ります!
次回のコラムでは、いよいよドラフト会議のお話ができそうです。ドラフト会議当日起こったサプライズを振り返らせてください。
それでは、話題を今シーズンに戻しましょう。
交流戦の滑り出しはパ・リーグ優位で進む
2005年からスタートしたセ・パ交流戦。昨年までの結果ベースで言えば、パ・リーグのほうが優勢なかたちでゲームを運んできている、というのが通例です。
パ・リーグで戦い慣れた私から見れば、この交流戦に関して、パ・リーグが不利なように感じていました。パ・リーグはDH制、セ・リーグは投手も打席に立ちます。パ・リーグ側から言えば、普段打席に立たない投手の打席や、ビハインド時の投手への代打、選手交代のタイミングの難しさがあります。
しかし、「交流戦はパ・リーグが勝ち越し」というのがもはや定説化していますよね。
はっきりした理由は定かではありませんが、私の感覚で言うなら“投手の違い”が理由として存在するのではないかと思っています。
パ・リーグの投手はどちらからといえばパワー系の投手(強いストレート)が多く、セ・リーグの投手は技巧派(変化球)が多い。私の在籍した近鉄バファローズのように、どんどん振り回してくる打者が多いパ・リーグは、普段強いストレートを見慣れているだけに、セ・リーグの投手と対戦する際、比較的楽な気持ちで打席に立てていることが、今の結果に繋がっているのかもしれません。
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