セ・パ交流戦、勝敗を左右する心のバランス 今年もパ球団が順調な滑り出しだが、楽天は?

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現在まだ2カードを終え、3カード目に突入したばかりですが、パ・リーグチームを見てみると楽天イーグルス以外の5球団はすべて勝率5割以上。6月5日の対東京ヤクルトスワローズ戦では敗れはしたものの、昨季の王者ソフトバンクは6連勝と底力を発揮している状況。例年通り、パが優位という途中結果です。

じゃあセ・リーグが面白くないのかといえば、とんでもない。全体的に不利な展開を強いられているため、リーグ内順位が大混戦。6月5日試合終了時点で、2位横浜DeNAベイスターズから6位中日ドラゴンズまで1.5ゲーム差でひしめいていて、これが面白いのです。残りはまだ半分以上試合がありますが、ペナントを占う上で交流戦が大きなカギを握るのは必至。どれも見逃せない試合になりそうです。

楽天イーグルスは苦境を脱することができるか

そして、私の古巣である楽天イーグルス。6月3日までの交流戦で5連敗。ようやく6月5日の巨人戦で交流戦初勝利を挙げました。

6月3日までの試合はリーグ戦同様、ゲーム中盤までは良い戦いをしていたんです。接戦と言ってもいい。しかし、今季の良くない特徴であるパターンに、そこからハマってしまうのです。中継ぎ以降の投手が失点し、攻撃陣はチャンスを作りながらも得点を奪えずに惜敗する、という繰り返しです。ここ一番で一本が出ない。ここ一番で抑えられない。これがなんとも歯痒い!

投手の打開策として、抑えの松井投手とセットアッパーのハーマン投手を配置転換したりと試行錯誤はしていますが、この二人だけでなく、中継ぎ投手陣の状態が去年に比べ全体的に悪かった。中でも、昨年まで大車輪の活躍を見せていた福山投手が不調で2軍調整中と、勝ちパターンを確立できていないのが原因であると思います。

“打撃は水モノ”と言いますから、打撃だけに頼らない、“守り勝つ野球”をしたいならば、中継ぎ投手陣の整備が急務になってくるでしょう。私が見るかぎり、コントロールを乱し、四球を与え得点されるということがあまりに多い。

状況はいろいろあるにせよ、各ピッチャーはなんとかストライクを先行し、優位なピッチングができるように自分を信じて腕を振ってほしいです。今の彼らからは、打たれちゃダメ、とか、打たれたらどうしよう、とか、そういう不安な表情が垣間見える。それが何よりもかわいそうに、私には思えます。

最近の筆者。5月に東京ドームで行われた古巣・楽天イーグルスの主催試合で(写真:筆者提供)

マウンドにいるときはもっと自信満々に自分を信じて投げることが、投手には何よりも大事なことではないかと思うのです。

そして、それで打たれるなら仕方ない!と盛大に割り切ることも大事! 不安に負けず、自分の投球さえしていれば、絶対に結果はついてきます。

そう、ここでも先述の“心のバランス”のコントロールに尽きるのではないでしょうか。

次回のコラムは交流戦が終わったタイミング。ペナントレースの行方にも注目しつつ、ゲームを楽しみましょう!

礒部 公一 プロ野球解説者

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いそべ こういち / Koichi Isobe

元プロ野球選手。2018年からプロ野球解説者に転身。右投げ左打ち。1989〜1991年広島県立西条農業高等学校 /1992〜1996年三菱重工株式会社広島製作所 /1997〜2004年大阪近鉄バファローズ/ 2005〜2009年東北楽天ゴールデンイーグルス / 2009〜2017東北楽天ゴールデンイーグルス・コーチ。2004年、球界再編問題に近鉄最後の選手会長として労使交渉に奔走した。2005年、東北楽天ゴールデンイーグルスに創設メンバーとして加入、初代選手会長に就任するとともに、中心選手として生まれたばかりのチームを支えた。

Twitter:https://twitter.com/isobekoichi

Facebook: https://www.facebook.com/Isobekoichiofficial/

公式HP:http://inwheel.jp/isobe/

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