セ・パ交流戦、勝敗を左右する心のバランス 今年もパ球団が順調な滑り出しだが、楽天は?

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

この年に広島県で開催されることになっていたのが、第12回アジア競技大会です。日本代表チームもこの大会に出場するということで、広島で合宿や練習試合を行っていました。その大会前の練習試合相手になったのが、私の所属する三菱重工広島です。

日本代表チームに在籍していたのは当時、アマチュア界で名の通ったトップクラスの選手ばかり。中には、オリンピック参加をすでに決めた選手が何人も含まれていました。そんな相手とゲームできることに、とても興奮したのを覚えています。

迎えた練習試合当日。

私は、そのたった一回の練習試合で、ホームランを放ったのです。

相手は、のちに読売ジャイアンツに入団した小野仁投手でした。左投げ、ストレートは150km/h超え。高校生として異例の日本代表入りを果たし、キューバ戦で圧巻のピッチングを見せたというものすごい投手です。

その小野選手から奪ったホームランでした。しかも、練習試合とはいえ、日本オリンピック協会の役員や代表監督、またコーチがズラリと揃った目の前で。これが評価され、翌年から人生で2回目の日本代表候補に選出されたのです。

この日本代表候補入りのおかげで、もしかしたらアトランタオリンピックに出られるかもしれない、という新しい希望が生まれました。さらにその先には念願であったプロ野球入りも現実味を帯びてきたことで、今一度野球に向き合うことを決めたのです。

「緊張感」をどうプラスに変えるか

こうして改めて思い返してみると、自分で言うのも恥ずかしながら、私は「とにかくチャンスに強い」。この社会人野球時代までだけで見ても、人生のターニングポイントとなる2度の日本代表入りの決め手が必ず“ホームランを放った”という事実からも、そう言えると思います。

これには、日頃の鍛錬の成果はもちろんのこと、私自身がもともと超の付くほど負けず嫌いであったことと、さらに、「緊張感をモノにする能力があった」ということが大きかったのではないかと思います。

自分の一生を左右するようなタイミングでバッターボックスに立つ。それがどれほどの緊張感をもたらすのかを想像してみてください。そんな極度の緊張を強いられるような場面でも、打破し、乗り越えて活躍さえすればヒーローになれると信じて立ち向かうこと。

次ページ平常心で打席に立つために必要なこと
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事