20代の会社員がゼロから1億円を貯める方法 たった一つのことを守れば達成が見えてくる

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中野:唯一必要なのは、規律ある行動を続けることでしょう。

渋澤:そうですね。20代のうちだと、おカネという資産はほとんど持ち合わせていないと思いますが、もうひとつ人間にとって非常に大事な資産である「時間」はたっぷりあるわけです。そして、時間という資産は確実に目減りしていくわけですが、無駄に目減りさせないために積み立て投資があるわけです。

時間を味方につけて、途中で絶対にやめないこと

中野:もし、20代の自分に時間を戻せるなら、真っ先にするのが積み立て投資です(笑)。

渋澤:何よりも楽ですからね。積み立て投資用の口座さえ開いてしまえば、自動的に積み立て資金が引き落とされていきますから、誰でもできます。

中野:もう一つ注意するとしたら、絶対に途中でやめないことです。人間って弱い生き物ですから、ちょっと値上がりしただけで利益を確定させようとして解約してしまうのです。で、二度と戻って来ない。

渋澤:「儲かった」ではなく、「殖えた」というイメージで捉えるのがいいかもしれませんね。口座の残高がいくらになっているのかは、ほとんど見なくて良いでしょう。私は2001年から17年間、個人的に自分と自分の子どもたちのために積み立て投資を続けていますが、口座の残高を見るのなんて年1回あるかどうかという程度です。

藤野:たとえば結婚資金ですとか、子どもの教育資金など、大事な出費がある時、それまで積み立てたものの一部を取り崩すのは、別にいいと思うのです。ただ、中にはマーケットタイミングを捉えて利益確定の解約をしようと目論んでいる人がいるのです。

実は、今が本当に売り時かどうかは、プロの投資家にもわかりません。それに投資信託、とりわけアクティブ運用の投資信託を持っている人がマーケットタイミングを計って解約してしまっては、何のために信託報酬を払ってファンドマネジャーに資金を託しているのか、まったく意味がなくなってしまいます。だから原則として、積み立てはずっと続ける。そして、何か自分の人生で大きなイベントがあり、当座の資金が必要だという時だけ、預金だけだと足りない部分を解約して充当するのが、正しい積み立て投資のやり方だと思うのです。

中野:今は含み益があるけれども、この先、値下がりしたら含み益を失うどころか、損失を被る恐れもある。それが怖いから、少しでも利益が出ると確定させたくなるという、いわゆるゼロサム的な発想では、いつまで経っても資産を殖やすことはできません。これは、かなり絶対的な真理だと思います。

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