「睡眠不足」は超シンプルな方法で予防できる スケジュールを睡眠最優先で組み立てよう

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「眠れないときに無理やり寝ようとする、ベッドにしがみつくのが問題です」と三島氏は強調する。

たとえば、不眠症患者の多くは、「今晩も眠れないのでは」という不安を抱えながら、ベッドに向かうと交感神経の緊張などで覚醒度が高まり、余計に眠れなくなってしまう。

現に、眠ろうと身構えないソファや電車内などではすぐに眠ってしまう患者も多いという。

そのため、認知行動療法では、これ以上起きていられないほど眠気を感じるまでは、ベッドに横たわらないように指導するという。これが睡眠不足の人への指導とまったく異なる点なのである。

睡眠時間の確保を習慣づける

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すでに医師向けのガイドラインでは、薬物療法で効果が出にくい患者に対しては、認知行動療法を行ってみるように推奨されている。

ただし、現在、日本では認知行動療法ができる施設が少ない上に、保険適用外となっている。教育、制度共に拡充が求められる分野だと三島氏は語る。

中長期的な睡眠不足は生活習慣病リスクを上げることを心にとめ、1日を0時から数えて睡眠時間の確保を優先させる習慣をもつことからはじめよう。

三島氏が言うように、体を休める眠りと脳を休める眠りは違う。動物と違い人間だけが大脳を大きく発達させただけに、その眠り方にも人間らしい工夫が必要なのだ。

ムーギー・キム 『最強の働き方』『一流の育て方』著者

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Moogwi Kim

慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA取得。大学卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門にて、日本企業の上場および資金調達に従事。その後、大手コンサルティングファームにて企業の戦略立案を担当し、多くの国際的なコンサルティングプロジェクトに参画。2005年より外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして株式調査業務を担当した後、香港に移住してプライベート・エクイティ・ファンドへの投資業務に転身。英語・中国語・韓国語・日本語を操る。著書に『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』と『一流の育て方』(母親であるミセス・パンプキンとの共著)など。『最強の働き方』の感想は著者公式サイトまで。

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